五十四色��-�� ページ15
———左から5番目の窓
「え」 「え」
パチリと目が合う。兄ではない。
「イッ…イチョウ先輩！？」
窓際でタバコを吸っていると目の前にAが現れたのだ。
流石に目を見開くが、すぐに心を整えて"しー"と、人差し指を口元に当てて微笑んだ。
「……夜這い…？」
「違います！」
「だよね」
そう言うと、つけたばかりであろうまだ長いタバコを灰皿に押し当てた。
「ツムルに用事？」
なんて察しのいい教育係だ。
どうせツムルの部屋と間違ってしまったのだろうと容易に想像したイチョウは動揺する事なく言った。
「今日は兄ちゃんの部屋に泊まろうと思って」
「そうなの？」
「隣の部屋のダリ先生が悪周期でちょっと気まずいなって……」
「へぇ…A先生って意外とそう言う所の勘鋭いよね」
悪周期の間は理性が飛ぶ。
部下にそんな所見られるのは嫌だろう。自分なら嫌だ。
語彙力のないAは“気まずい”と表現しているが、何となくその事を察していた。
「え？」
Aは首を傾げるが、"分からないならいいよ"とイチョウは微笑む。
「———ツムルの部屋は隣だけど……風呂行ったみたいだし、もう少し居る？」
「いいんですか！？」
「飲み物取ってくるね、何がいい？」
「歯磨いたので水で！」
「わかった、ちょっと待ってて」
Aはどこか兄にも似た雰囲気を感じるイチョウによく懐いていた。
イチョウはそれを察してか少し呆れたように笑って食堂から持って来た水が入ったグラスを差し出した。
「何もお構いできないけど、どうぞ」
そういうと、ベッドに腰かけるAの目の前に遠すぎもせず、近すぎもしない距離に椅子を置いてイチョウも腰をかけた。
「ありがとうございます！」
Aは何も考えず、そのグラスに口をつけようとした時だった。
「はい、赤点」
「え？」
「悪魔がそんな警戒心もなく他人からもらったものを簡単に口にしようとしないの。
未開封ならまだしも、グラスに注がれたやつだよ？」
“君、本当に戦術学の教師？”と、呆れたように笑いながら続けるイチョウを見て試されていたことに気づく。
「まさか毒が！？」
Aは言われてはじめてくんくんとグラスに注がれた水の匂いを嗅ぐ。
イチョウからしたらまず、部屋に入ってきた時に警戒してくれと思う所だが、Aにはその欠片もない。
「入ってないけど」
「ですよね！」
そう言って、水がごくりと喉を通った事を確認すると再び口を開いた。
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国 - とっても面白くて一気に読んでしまいました〜！夢絵も最高で今度FA描かせていただきたいです！ (9月27日 10時) (
レス) id: e6c6916d6f (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 次の話しを楽しみにしてます！ (8月20日 7時) (レス) @page41 id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - 更新ありがとうございます！ちょっと見れてなかったので、腕へし折り大会から見ました！ダリ先生悪〜い悪魔ですね（好き）買収される入間くん&買収するダリ先生(笑) ウォルターパーク楽しみにしてます！ (8月18日 22時) (レス) id: 61588fc94f (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - 胡蝶有希さん» 胡蝶有希さん、コメントありがとうございます・・・！これからも少しずつ更新しようと思ってます！！ゆっくりではありますが楽しんでいただけたら嬉しいです！！ (8月18日 17時) (レス) id: 4d4f0c6286 (このIDを非表示/違反報告)
山田ささくれ(プロフ) - あすかさん» お返事遅くなってしみません(涙)少しずつですが更新再開しようと思っているのでよかったらこれからもよろしくお願いいたします！ (8月18日 17時) (レス) id: 4d4f0c6286 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山田山本 | 作成日時：2023年1月13日 22時
