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もらったアネモネの花束は、花瓶がなくてグラスに挿してカウンターに飾った。
毎日ちゃんとお水を変えて、昼と夜とで花弁が開いて閉じてを繰り返すその花たちが目に入るたびに樹を思い出して。
花束なんて、もらったことがなかったからどうやったら長く持つのかと帰宅してすぐスマホで検索した時に思わぬ形で知る、花言葉。
画面上に並ぶ言葉に、思わず固まってしまう。
意味を知っていてくれたのか、ただくれた花がそういう意味合いを持っていたのか。
前者、後者のどちらにせよ、もう私の中での答えは出ていた。
送ってくれて私が見えなくなるまで待ってから車を走り出した樹との１日を振り返って、もう答えは決まっていた。
“一緒に出かけた時に結局行き帰りの道中が一番楽しかったねってなる人”
“帰ってきて楽しかったな、って浸った時に何故か道中や本当に他愛もない場面での光景が１番に浮かんじゃうような、そんな人がいい”
「……あなたを信じて待つ、真実、……君を、愛す」
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作者名：なち
| 作成日時：2021年9月23日 19時
