127 ページ7
.
「私は……、私はもう、
健人の事は忘れたんだよ。」
「赤ちゃんが居なくなってしまった日から
辛くて何度も死 に たいそう思った」
「そんな私を助けてくれたのは……廉だった」
目の奥がツーンとしてくる。
泣きたくなんか無いのに
ここに来させてくれた廉の事を想うと
何故だか涙が溢れ出そうになる。
「私は廉とずっと一緒に居たいの」
健人はハハ、と笑った。
その笑顔は悲しそうなんかじゃなくて
どこか清々しさがあって…
「そっか、」
「Aは廉の事が好きなんだね」
その時、私の携帯の通知音が鳴った。
画面を確認すれば廉からのもので
"前の公園にいる。
早くAに会いたい"
さっき会ってたのに…なんて笑みが零れる
そんな廉を愛おしく思って
早く会いたくて、
「健人の事は嫌いになった訳じゃないの」
「でも、今の私には廉が必要なんだ」
そう、真っ直ぐ健人の目を見て言った。
「幸せになってよ、A」
「健人こそ、幸せになってね」
私達はあの時から進めてなかった気持ちを
前に進めさせる事が出来たのかな？
私はすっかり忘れていれたと思っていたけど
結局は心の中でまだ前に進めていなくて
やっと、やっと、前に進めた気がした。
「そろそろ行かなきゃ廉に怒られちゃうね」
「ハハ、そうかも」
こうやって二人で笑って話が出来るなんて
思ってもみなかった。
これも全部……廉のおかげだね。
私達は喫茶店を出て、
隣の公園へと足を進めた。
＿＿＿＿その時公園からボールが転がってきて
それを追いかけて続けて男の子が飛び出してきた。
そのまま道路にボールが行ってしまって
男の子はそれに気付いていない。
「おい、ボウズ危ないで！」
廉がそう言って走ってその子を追いかけてきた。
「っ、廉！危ないっ！！」
けたたましい音のクラクション。
聞こえてくる通りすがりの人の悲鳴。
「＿＿＿＿＿＿う、そ……」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 969人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
とぅーか(プロフ) - さやりんさん» さやりんさん〜！コメントありがとうございます！無事完結致しました…新作の方も読んでいただけます？嬉しいです…！そっちも更新がんばりたいと思います。 (2017年12月19日 22時) (
レス) id: 6b7f053744 (このIDを非表示/違反報告)
さやりん - とぅーかさん遅くなりましたが完結おめでとうございます！！(遅くなったのには色々ありまして…) けんてぃーと暮らすことになったときはすごくビックリして、でも二人の愛で…って感じで見たこともない作品でした！新作も読み続けたいと思います！ (2017年12月16日 8時) (レス) id: 7aa7cbae3b (このIDを非表示/違反報告)
とぅーか(プロフ) - ちぃさん» 素敵な感想ありがとうございました…！！骨の髄まで愛したいこのタイトルにした時は廉くんに言ってもらう予定だったんですが、やっぱり主人公ちゃんに言ってもらいたくて…そんな風に感じ取って頂いて光栄です。こちらこそ読んで頂いてありがとうございました！ (2017年11月30日 23時) (レス) id: 6b7f053744 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - とても面白かったです、、！！二人が運命の相手同士なのに何回もの別れを繰り返して、いろんな人を巻き込んで、やっと二人での幸せを得る。そして、最後の骨の髄まで愛したい。の決め文句最高でした！！笑 お疲れ様でした！ここまで読ませて貰ってありがたいです^^* (2017年11月30日 22時) (レス) id: 11aa5c1605 (このIDを非表示/違反報告)
とぅーか(プロフ) - pira：）さん» コメントありがとうございます！大好きな作品と言ってもらえて嬉しいです…暗めのお話だったので皆様の反応が怖かった部分がありました。でもそう言って頂けて良かったです！最後までお付き合いありがとうございました！ (2017年11月29日 22時) (レス) id: 6b7f053744 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とぅーか
| 作成日時：2017年10月20日 9時
