58.寄り道 ページ10
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｢じゃあ帰りに｣
｢う、うん｣
｢いつもの時間に校門にいるから｣
駅までの道のりも、電車の中でも、やっぱりジョングクはいつも通りだった。
お互いのシフトの話をして、常連さんの話をして、欲しいお酒の話とか、ホソクさんの為のノンアルのカクテルの話とかをした。
気まずい思いをしているのは私だけなんじゃないか……なんて疑ってしまうほどに。
それに対して、私の方は学校に着いてからずーっと授業も頭に入ってこないし、友達の話にも上手く乗り切れない。
う〜〜〜んと思い悩んでいるとあっという間に放課後が来て、校門からすぐ近くの交差点で私を待つジョングクの姿がある。
｢おつかれ｣
｢……おつかれ｣
本当になんでもないように振る舞うんだな……と感心していると、ジョングクが振り返った。
｢寄りたいとこあるんだけど、付き合ってよ｣
｢え？ いいけど……｣
寄りたいとこってどこだろう？ そういえば最近はカクテルグラスが欲しいって言ってたなあなんてジョングクの後ろをついて行く。
電車に乗って、いつもは降りない繁華街へ。
平日の夕方の賑わう往来を歩く。私達みたいな学校帰りの学生、大学生のカップル、OLさん。色んな人とすれ違ってはきょろきょろと辺りを見渡す。
こんなとこに食器なんか売ってるのかな……なんて考えていると、オシャレな店が立ち並ぶ通りでジョングクは止まった。
急に止まったジョングクの背中に顔が当たって鼻が痛い。
｢ここ｣
｢ここって……｣
――カフェだ。しかも、最近SNSで人気の。
土日は並ぶと言われているそこは、平日の夕方だというのにほとんど満席に近い。
痛む鼻を擦りながら店とジョングクに何度も視線を映す。
｢え？｣
ジョングクの来たいところって、ここ？
普段はオシャレとかにもさほど興味も示さないし、外食はすれどカフェが好きだなんて聞いたこともなかったのに。
呆然とジョングクを見つめていると、ちょっと意地悪そうに笑われた。
｢したかったんでしょ？ 制服デート｣
｢！！！｣
そういう事か！
してやったりみたいな顔に、絶句する。ジョングクはいつも通りだなあなんて油断した自分が馬鹿みたいだ。
｢入ろ｣
｢手、手……！｣
グイッと手を繋がれて店の中に引きずられる。強引すぎて言葉が追いつかない。
店の中はナチュラルだけどオシャレな内装だし、食べてみたかったケーキが沢山。
｢どれにする？｣
ジョングクはニッコリと笑って、試すような視線を寄越した。
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おけ(プロフ) - ここまで1日で読みました‼︎このお話大好きです！応援してます！ (2022年2月8日 23時) (
レス) @page40 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はるさん» ありがとうございます〜！デビュー当時辺りを想像して書いてました 楽しんでもらえて良かったです！また気が向いたら続きも書くので、よろしくお願いします^^* (2020年2月7日 9時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - ひゃ〜〜この作品は大好きで何度も読み直しているので、新しいお話嬉しかったです！なんとも守ってあげたくなるまだまだあやふやなグク、、主人公ちゃんと出会って、お互いを好きになれて本当に良かったなと思いました！これからも応援しております！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 75eff8e160 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - じみちむさん» ありがとうございます´`* ちょいちょい書き足していきますので、また読んでください〜！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 番外編も最高でした♪( ´▽｀) (2019年8月26日 17時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年6月9日 16時
