70.隣の恋人さん end. ページ22
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二人でベッドに横になって、二人で天井を見上げる。薄い呼吸の音が聞こえて、掛けた布団が不規則に動いた。
どきどきするけど、落ち着く。そんな不思議な気持ちになるのは、隣に寝ているのがジョングクだからだろう。
｢次はきっと、ナムジュンさんが出てくと思うんだ｣
｢……だろうね、論文通ったから博士になったんでしょ？｣
｢うん。仕事も大体決まってるって、遅くとも来年の三月には居なくなるよ｣
｢寂しくなるね……｣
訥々と話すジョングクの声は固い。きっと、不安のような寂しさのような感情が入り交じっているんだろう。
ソクジンさんは、私だからこそこうしてジョングクが自分の気持ちを話すのだと言っていた。
私はそう思って、ぎゅっとジョングクに抱きついた。
｢え、ちょっと｣
｢いいじゃん、もう恋人なんだよ？ 私たち｣
｢は……？｣
｢…………？ あ、違う。誘ってるとかじゃなくて……！｣
硬直したジョングクに思わず慌てるけど、抱きしめる力は弱めない。
ただ、寂しい気持ちに慣れたフリをするジョングクに胸がそわそわとするだけ。本当にそれだけのつもりだった。
暫く固まっていたジョングクは、少し経つとようやく慣れてきたのか体の力を抜く。暖かい体温が心地よくて、私はすりすりと擦り寄った。
｢あったかくて落ち着く｣
｢……俺は……落ち着かないけど……｣
｢ごめんごめん｣
｢……でも、Aが居てよかった｣
聞こえるか聞こえないかのギリギリで囁かれた小さな声。くっついている私だから聞こえたその言葉に、私は微笑む。
｢ジョングクは寂しがりなんだね〜｣
｢人並みでしょ｣
｢あと強がりで口下手｣
｢それは否定できないけど……｣
ようやく少しだけ微笑んだジョングクにほっとする。くるりと此方を向いたジョングクは、すぐ近くなのにじっと私のことを見つめる。
整った顔をしているのに、人見知りで不器用で口下手な男の子。
私のことが案外大好きな、私の恋人。
｢あ、キスするの？｣
｢……あのさ、雰囲気とか察せないの？｣
｢ご、ごめん｣
｢まあ、いいや｣
呆れたようにそう言って、溜息混じりにキスをされる。唇って思ったよりも柔らかいんだなあ〜なんて私は脳天気なことを思った。
ジョングクの大きな目と睫が震えている。夜闇の僅かな光を孕んで薄く光る瞳には、笑っている私の顔が映っていた。
｢ね、もう一回｣
｢無理、今ので限界｣
赤くなった顔を手で覆って、ジョングクは熱い溜息をついた。
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おけ(プロフ) - ここまで1日で読みました‼︎このお話大好きです！応援してます！ (2022年2月8日 23時) (
レス) @page40 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はるさん» ありがとうございます〜！デビュー当時辺りを想像して書いてました 楽しんでもらえて良かったです！また気が向いたら続きも書くので、よろしくお願いします^^* (2020年2月7日 9時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - ひゃ〜〜この作品は大好きで何度も読み直しているので、新しいお話嬉しかったです！なんとも守ってあげたくなるまだまだあやふやなグク、、主人公ちゃんと出会って、お互いを好きになれて本当に良かったなと思いました！これからも応援しております！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 75eff8e160 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - じみちむさん» ありがとうございます´`* ちょいちょい書き足していきますので、また読んでください〜！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 番外編も最高でした♪( ´▽｀) (2019年8月26日 17時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年6月9日 16時
