69.祭りのあと ページ21
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祭りのような会が終わって、片付けをして部屋に戻る。すっかり時計は夜更けを指していて、とっぷりとした闇が部屋に満ちていた。
……眠れそうにない。ソクジンさんが居なくなっちゃうなんて、寂しくてしょうがない。
そんな気持ちを宥めようと、窓を開けて外を見る。
もしかして、ジョングクも同じ気持ちなのかな……？と思って横を見ると、やっぱりジョングクも窓から外を眺めていた。
｢……寂しいね｣
｢うん｣
消え入りそうな声。私の知らないジョングクとソクジンさんの記憶があるんだろう、暫く黙っていたジョングクは私のことを見つめた。
｢こうしてみんな水彩荘から出て行くんだ。大体はいい旅立ちだから、止めることもできない｣
｢うん……｣
｢俺、ここに住んで……色んな人と家族みたいなものになったよ。ハヨンさんやテグンさんもそうだし、今のみんなも、出てった人達とも｣
｢なんとなく、分かる気がする｣
普通だったら引っ越してきた住人に一々歓迎会なんてやらないし、おばあちゃんの部屋に集合写真が飾られることも無い。
孤独なままで死んでいった友達のことを忘れないようにと戒めを込めたメゾン・ド・水彩は、ジョングクにとって本当の家になったのかもしれない。
少なくとも、私とおばあちゃんにとってジョングクは誰よりも家族のような存在だ。
｢ソクジンさんが言ってたの、人間関係に永遠なんてないって。最初聞いた時はなんか寂しい言葉だなって思ったけど、今はちょっと違うのかもって感じてる｣
｢うん｣
｢終わっちゃうから、大事にしようとするんだね。後悔がないようにするから、みんな自分に素直になるんだと思う｣
私がそう言うと、ジョングクは少しだけ目を潤ませた。
｢A｣
｢ん？｣
｢寂しいから、そっち行ってもいい？｣
その声に胸がきゅんと切なくなる。素直なジョングクに少し驚いたし、こういう関係になってから改めて部屋に入れるのもなんだか恥ずかしいような気がした。
でも、泣きそうなジョングクの姿に、私はすぐにうんと頷く。
ジョングクは窓を閉めて、すぐに私の部屋に入ってきた。
｢一緒に寝ようか｣
｢……え？｣
｢別に変な意味じゃないよ！ ただ、私もなんか寂しいし、誰かと一緒に寝たいだけ｣
｢いいけど……｣
ぎこちない仕草でベッドに腰掛けるジョングクに、少しだけ笑う。こんなに緊張するなんて、本当にジョングクは初心なんだ。
私はベッドに横になり、ジョングクを促した。そしてぎゅっと手を握った。
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おけ(プロフ) - ここまで1日で読みました‼︎このお話大好きです！応援してます！ (2022年2月8日 23時) (
レス) @page40 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はるさん» ありがとうございます〜！デビュー当時辺りを想像して書いてました 楽しんでもらえて良かったです！また気が向いたら続きも書くので、よろしくお願いします^^* (2020年2月7日 9時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - ひゃ〜〜この作品は大好きで何度も読み直しているので、新しいお話嬉しかったです！なんとも守ってあげたくなるまだまだあやふやなグク、、主人公ちゃんと出会って、お互いを好きになれて本当に良かったなと思いました！これからも応援しております！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 75eff8e160 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - じみちむさん» ありがとうございます´`* ちょいちょい書き足していきますので、また読んでください〜！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 番外編も最高でした♪( ´▽｀) (2019年8月26日 17時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年6月9日 16時
