63.問と解 ページ15
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それからいつも通り、だらだらと駅までの道を歩き出した。
｢今日、宴会入ってるんだっけ？｣
｢二十五人の飲み放題コース｣
｢あ、やばい日じゃん！｣
フルメンバーのシフトを見つめつつ顔を顰めると、私の顔をじっと見つめているジョングクに気がつく。
｢――どういう心境の変化？｣
｢なにが？｣
｢いや、Aが逃げなくなったから｣
ここ数日の挙動不審だった私の事を指していると理解して、私はへらっと笑う。
｢うーん……色々考えすぎて、訳わかんなくなってきたから、考えるのやめたの｣
｢なんだよ、それ｣
｢……待っててね、ちゃんと言うから。考え中なの！｣
私はジョングクが好き。でも、改めて言うのはちょっと恥ずかしい。
終わりが来るのが怖いだなんて言ったら、重いと思われそうで嫌だった。
早く返事をしなくちゃな……とは思うけど、中々思い切りがつかない。ジョングクの反応も分からないし。
｢悪い返事なら聞かない｣
｢……まあ、悪くは無いよ｣
｢じゃあ、なに考えてんの？｣
｢ジョングクのこと｣
素直にそう言うと、黙りこくるジョングク。チラリと視線を上げると、変な顔をしている。泣きそうにも困っているようにも見える表情の、その肌は赤い。
｢……馬鹿でしょ｣
聞こえたのは、ほんの小さな声。
さっと顔を逸らして、スタスタと先に行ってしまったジョングクに取り残された私は呆然と足を止めた。
――なにあれ。
心臓がやけに跳ねてうるさいし、何故か私もじわじわと頬に熱が集まってくる。
まるで、ジョングクが私を好きみたいじゃん……なんて、今更な事を強く想った。
(ジョングクって、ほんとに私のことが好きなんだ……)
呆然としていると、少し先でジョングクが振り返る。
｢なにしてんの｣
｢待って｣
｢……遅れるよ｣
追いかけて隣を歩くけど、私はなんだか視線を合わせることが出来なくなってしまった。
それはもう悪い意味じゃなくて、いい意味で。前と違うのは躊躇いとかではなくて、単純に気恥しさが勝っているからだ。
この恋を手に入れたら、こんな幸せが沢山あるんだろうか。ふと、そんなことを考えて、ふわふわとした気分になる。
恋愛なんて今でもよく分からないけれど、みんなこの気持ちに憧れているんだったら、欲しくなっても仕方がないなあなんて納得すら出来た。
｢しあわせ、かあ｣
人生のほんの一時でも、こんな幸せな気持ちを味わえたなら悔いはないのかもしれない。
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おけ(プロフ) - ここまで1日で読みました‼︎このお話大好きです！応援してます！ (2022年2月8日 23時) (
レス) @page40 id: a8986157d1 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はるさん» ありがとうございます〜！デビュー当時辺りを想像して書いてました 楽しんでもらえて良かったです！また気が向いたら続きも書くので、よろしくお願いします^^* (2020年2月7日 9時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
はる - ひゃ〜〜この作品は大好きで何度も読み直しているので、新しいお話嬉しかったです！なんとも守ってあげたくなるまだまだあやふやなグク、、主人公ちゃんと出会って、お互いを好きになれて本当に良かったなと思いました！これからも応援しております！ (2020年1月29日 2時) (レス) id: 75eff8e160 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - じみちむさん» ありがとうございます´`* ちょいちょい書き足していきますので、また読んでください〜！ (2019年8月29日 22時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
じみちむ(プロフ) - 番外編も最高でした♪( ´▽｀) (2019年8月26日 17時) (レス) id: f91208f58d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2019年6月9日 16時
