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『…どういうこと？』
苦虫を噛み潰したような表情をするありさかさんと、俯いたまま頭を搔くだるまさん。それを無表情に見つめるなるせさんは、冷たい目をしている。持ち上げたままのお椀をちゃぶ台に置くと、なるせさんが深くため息を吐いた。
「Aさんがここに初めて来た日、本名を知られると帰れへんって話ししたの、覚えてる？」
『…うん』
「名は体を表すって言葉あるやろ？それの本来の意味として、昔は本当の名前を知られると相手の意のままに操られて逆らえんくなるって言われてて。
それに真名を知られると、呪いにかけられるって信じる人が多かったんよ。俺らはニンゲンじゃないから、ニンゲンの真名を知ることで、思いのままに操ったりできるってこと。
…Aさんの意思は関係なく、ここに閉じ込める…神隠しもできるようになる」
『そう、なんだ』
「初めて出会った日、俺らはAさんの真名を聞くことはせんかった。それは、ただ立場も何も関係なく、ここに遊びに来てくれる友人として迎え入れたかったから。」
『…でもわたし、名前は教えてないよね？
その話と、今のって何か関係あるの？』
「…ヨモツヘグイ」
『よもつへぐい？』
「簡単に説明すると、あの世の食べ物を口にするとこの世に帰れんくなるって話。
正確に言えばこの神社がある領域はあの世ではないけどこの世でもない。今まではAが作ってくれた飯とか、店で買ってきたやつばっかりやったし、前になるせとAが一緒に作ったプリン食べてもちゃあんと家に帰れたやろ？」
『…うん』
「でも今回は俺ら3人だけで作った。俺らのチカラが混ざっとる。
……そこにはAに帰って欲しくないって願いも、ずっと一緒にいたいって気持ちも篭っとる。」
『これを食べたら、帰れなくなるってこと？』
「…そうなるな、」
『なんで、そんなこと』
「Aが悪いんだよ」
冷たい目をしたなるせさんの視線に射抜かれ、体が固まる。いつも天真爛漫で、甘えん坊なところがある彼のこんな表情を見るのは初めてだ。
背筋がひやりと冷たくなるのを感じながら、彼の目をただ見つめることしかできなかった。
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yura(プロフ) - くくくさん» 最後までお読み頂きありがとうございました…！別作品も楽しんで頂けましたら幸いです！ (3月4日 21時) (
レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
くくく - 泣いちゃいました…次回作楽しみにしてます (2月29日 15時) (レス) id: 9c08b4fe18 (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - をわさん» 最後までお付き合い頂きありがとうございました！次回作もよろしくお願いいたします…！ (10月6日 14時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
をわ(プロフ) - お疲れ様でした！！リアルタイムでこの作品を追いかけることができて幸せでした！次作も楽しみにしております…！！ (10月5日 1時) (レス) @page50 id: ab4027dd5b (このIDを非表示/違反報告)
yura(プロフ) - をわさん» そう言っていただけて嬉しいです…！完結までお付き合い頂けると嬉しいです◎ (8月23日 22時) (レス) id: 5f689998c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yura | 作成日時：2023年6月4日 13時
