White Dream Story -3-

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《渡辺side》


何度来ても落ち着くなぁ‥
部屋の中に通され、ふと思った。


涼「座って。」


と言われ、ソファに腰を下ろす。
そして、


涼「どうぞ。」


とマグカップを差し出された。
紅茶のいい香りが鼻を擽ぐる。
自分で紅茶なんて入れないから、ここに来るときくらいだよな、飲めるの。


涼「お疲れ様。」


と言いながら、俺の隣に座る涼太。
特になにか話すわけでもないのに、不思議と落ち着く。


翔「そういや、話って？」

涼「うん、翔太最近何かにイライラしてるの？」

翔「えっ？」


心当たりがない。
イライラしてるつもりはない。
確かに仕事で忙しかったり、上手くいかなくてモヤモヤする日はあるけど‥‥
それってみんなもあるよね？


涼「やっぱり‥‥」

翔「？」

涼「最近さ、ことある毎に舌打ちしてるの知ってる？」

翔「‥‥俺が？」


頷く涼太。
えぇっ⁈全く身に覚えがない。


涼「てことは、無意識か‥‥」

翔「俺、そんなにヤバい？」


再び頷く涼太。
でも、逆にそれだけ？


翔「舌打ちだけなんだよね？」

涼「だけって‥‥まぁそうだけど‥‥」

翔「じゃあそこまで心配することじゃなくね？」


もっとヤバいことしてんのかと思って焦ったよぉ。
でも涼太は、さっきより険しい顔になってる。
なんで？


涼「翔太、それ、本気で言ってる？」

翔「えっ？だって誰かに嫌なことしてるわけじゃないでしょ？」

涼「翔太の舌打ちに、康二やラウールはビクビクしてるよ？」


えっ？そうなの？
それはちょっと申し訳ないけどさ、


翔「気にし過ぎなんじゃないの？
　 別に2人に怒ってるわけでもないし。」

涼「いやいや、それは受け取り手の‥‥」

翔「チッ‥‥しつけぇなぁ‥‥」


あ、思わず本音が‥‥
恐る恐る涼太の顔を見ると、さっきと表情は変わらないが、明らかに怒っている。


なんで分かるかって？
そんなの、何年一緒に居ると思ってんだよ。


涼「翔太、お仕置き。」


うわっ！最悪っ！

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