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《ラウールside》


勢い良くドアが開かれたと思ったら、鬼の形相のめめが僕に掴みかかろうとしてきた。
すぐに阿部ちゃんに制止されたけど、めちゃくちゃ怖かった。
正直、今までめめに沢山叱られて、沢山お仕置きされてきたけど、あんなに怒ってるめめは初めて見た‥‥


もしかして、僕、とんでもないことをしちゃったのかな‥‥?


ドアから出て行くめめを、眺めていることしか出来なくて、また項垂れる。


亮「ラウール?ちょっと俺とお話しようか?」


阿部ちゃんが優しく話し掛けてくれるけど、まだ声が出なくて、頷くことしかできない。


亮「なんでここに呼ばれたのか、ラウールは分かってるよね?」

ラ「うん‥‥」

亮「サボったことはあとで叱るとして‥‥
  なにか嫌なことでもあった?疲れちゃった?」


叱られると思ってたのに、心配されてる‥‥?
そういえばめめも電話で心配させてって言ってたような‥‥


亮「ラウール?俺もめめのラウールが困ってるなら、
  力になりたいだけなんだよ?
  だから、教えてくれない?」

ラ「違う‥‥」

亮「違うって?」

ラ「僕、もっと、お仕事したくて‥」

亮「うん。」


ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ。
みんなともっとお仕事がしたいこと。
だから学校が億劫に感じてきたこと。
阿部ちゃんは怒ることなく、僕の話を聞いてくれた。


亮「ラウール、学校辞めたいの?」

ラ「えっ?」


そんなこと、考えたこともない。
だって、休みたいとは思っても、辞めたいとは思ってなかったんだ。


ラ「ぼく‥‥やめたくない‥‥」

亮「じゃあラウールがしなきゃいけない事って何だろ?」

ラ「しっかり学校に行くこと‥‥」


分かってんじゃん。と微笑みながら、阿部ちゃんは僕の頭を優しく撫でてくれた。
あぁ、僕はこんなに優しくしてくれる人を裏切ってたんだ‥‥
そう思うと、何だか胸がギュッと掴まれたように痛むのを感じた。

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CECIL(プロフ) - りぃさん» コメントありがとうございます!ご希望に沿えれたのなら幸いです!また読みに来てくださいね♪リクエストもお待ちしてます! (3月22日 22時) (レス) id: bc8a21d14d (このIDを非表示/違反報告)
りぃ(プロフ) - リクエスト書いて頂きありがとうございました!厳しさと甘やかしのあるゆり組、可愛いあべちゃんが見られて大満足です🥰またぜひリクエストさせてください☺️ (3月22日 10時) (レス) @page50 id: 76f282e2db (このIDを非表示/違反報告)
CECIL(プロフ) - りかさん» コメントありがとうございます!ご希望に沿うことが出来てたのなら良かったです!また読みに来てくださいね♪ (3月18日 12時) (レス) id: bc8a21d14d (このIDを非表示/違反報告)
りか - リクエスト応えて下さりありがとうございます! 康二くんめっちゃ怖くて良かったです。本人にその自覚ないのが最高でした笑 これからも応援しています! (3月18日 1時) (レス) id: 8ca5ce1146 (このIDを非表示/違反報告)
CECIL(プロフ) - みなみさん» コメントありがとうございます!ご期待に応えられたかは分かりませんが‥‥また読みに来てくださいね! (3月12日 23時) (レス) id: bc8a21d14d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:CECIL | 作成日時:2024年2月26日 20時

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