White Dream Story

・ ページ49

《阿部side》


今日は9人揃ってのYouTube撮影の為に、事務所に集合。
いつも使わせていただいてるスペースには、既に何人か揃っていて、近況報告をしあってる。


亮「おはよー。」

ラ「阿部ちゃんおはよっ。」


いつも率先して元気に挨拶してくれるラウールと佐久間‥‥
あれっ？佐久間の姿が見当たらない。


亮「あれ？佐久間は？」

ラ「佐久間くん、今日はまだ見てないよ？」


珍しく遅刻かなぁ？
Jr.時代はしょっちゅう遅刻してたけど、デビューした今では前の仕事が押したときくらいになったんだけどなぁ。


佐久間以外の8人が揃ったところで、照のスマホが鳴った。
どうやらマネージャーのようだ。


照「はいっ‥‥はい‥‥」

辰「どしたの？」

照「佐久間と連絡つかないらしい。
　 インターホン押しても出ないから、家に居るのかどうかも分からないって‥‥」


えぇっ⁈


亮「ねぇ、佐久間はどうだったの？」

涼「俺現場一緒だったけど、特には‥‥」

照「とりあえず今は佐久間抜きで進めよう。」


8人で撮影を進めることが決まった。
その間もマネージャーはあちこちに連絡を取ってくれている。
佐久間の元気な声が聞こえない現場は、どこか寂しく感じる撮影となった。


照「みんなお疲れっ！
　 次ある人は頑張ってねっ！」

蓮「俺次あるんでお先でーす。」

康「俺も行ってきまーすっ！」


次の仕事があるメンバーは、次々と荷物をまとめて事務所を後にする。
俺は今日は上がりだから、少し残って勉強でも‥‥


〜♪〜♪


スマホの着信音が鳴り響く。
どうやらマネージャーのらしい。


マ「はいっ‥‥はい、お世話になっておりますっ！
　 はい‥‥少々お待ちください。」


マ「岩本さーんっ！岩本さんに代わってくれって‥‥」


照「お電話代わりました、岩本です。
　 はい‥‥はい‥‥」


5分ほど通話したところで、照は電話を切った。
喋ってる様子から、相手はおそらく‥‥‥


亮「照っ！今のって‥‥」

照「佐久間のお父さん。
　 佐久間、今実家に居るらしい。」

亮「えっ⁈なんで急にっ⁈」

照「それは分かんねぇ‥‥
　 しかも佐久間、自室から出て来ないんだって。」

亮「えぇー⁈」

照「出来ればメンバーに話を聞いてもらえないかって。
　 俺、この後まだ仕事あって‥‥」

亮「なら俺が行くよ。今日もう上がりだから。」

照「頼んでいい？悪いっ！」


両手を合わせて謝る照。
俺は荷物を持つと、マネージャーが待つ駐車場へと急いだ。

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