White Dream Story

意固地の代償（渡辺/宮舘） ページ37

《宮舘side》


やばい、これは非常にやばい‥‥
こうなることを予想してなかったわけじゃないけど、ならないだろうとタカを括ってた。
時を戻せるなら、あの時の自分をぶん殴ってでも止めたいくらいだ‥‥


涼「ってぇ‥‥」

大「涼太っ⁈大丈夫⁈」


アクロで着地した際に、どうやら足を捻ったらしい。
今はズキズキと痛むが、きちんとアイシングしとけば大丈夫だろう。


涼「大丈夫。
　 ちょっと捻っただけだから、冷やせば問題ないよ。」

大「でもぉ‥‥」


心配性の佐久間。
あまり気にさせるのも俺の心が痛むので、こういうときは言い切って落ち着かせるようにしている。


涼「ほんとに大丈夫だから。」


このあとも練習は続いてたんだけど、一応大事を取って見学しながら応急処置をしてもらった。
大抵しっかり冷やして、家で湿布でも貼っておけば良くなることのほうが多いから、このときもあまり気にはしていなかったんだ。
でも‥‥


涼「嘘でしょ‥‥」


翌朝、目が覚めると、昨日よりも少し腫れている。
まだ歩けるし、骨に異常はなさそう。
次の練習は3日後。
それまでに治さないと‥‥


幸いにも3日間は収録や撮影のみ。
足を極力使わないようにすれば、みんなの目も誤魔化せるだろう。
とりあえず家を出る前にしっかりテーピングをして、しっかり足首が隠れる靴下で隠蔽。


1日目は座りでのお仕事メインだったから、あまり気にも止めていなかったが、2日目から徐々に痛みが増してきて、痛み止めも服用する羽目に。
それでも効き目が切れると、歩くたびにズキンズキンと痛みが響き、痛み止めなしでは歩くのが苦痛になってきた。


そして練習日‥‥
治って‥‥なかった‥‥


足を痛めていると言えばいいんだが、今はすごく大事な時期で、みんなが気合入ってるところに水を刺すようなことはしたくない。
それに俺の性格上、素直に甘えられないのだ。


家を出るギリギリまで足を冷やし、いつもよりキツめにテーピングで固定して、痛み止めを飲む。
よしっ、これで絶対保たせる‥‥
でも、この頑固な性格が仇となって、後々自分を苦しめることになるとは知る由もない‥‥

・→←・（おまけ）

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す