White Dream Story

・ ページ12

《岩本side》


暴れる康二を諌めるためにお尻をひとつ叩くと、思いの効果的面で、レッスン場に戻るまで大人しくなった。
鍵を開け中に入り、そっと康二を下ろしてやる。
さっきよりも落ち着いたのか、少ししゃくり上げてはいるけど話は出来そうだ。


照「康二、座って。」


先に俺が床に胡座をかくと、それを見た康二も向かい合って座る。
でも、顔は伏せたままで目は合わない。


照「康二、何かあった？
　 嫌って言ってたけど、何が嫌？俺が嫌？」


俺の言葉にバッと顔を上げ、また泣き出しそうな顔で、「ちゃう‥」って必死に首を横に振る。


照「さっきも言ったけど、話くらい聞けるよ？
　 康二、今日はずっと辛そうな顔してるし、
　 俺はそんな康二をほっとけないよ。」


康二の瞳に溜まっていた雫が静かに落ちる。
ぽつりぽつりと話してくれた。
目黒とラウールに負い目を感じていること。
周りのスキルについていけないこと。
何もかも上手く出来てないと蔑んでいること。
そして、


康「俺って、SnowManにいらんのちゃうかな‥‥」


‥‥は？
確かに目黒やラウールとは違うかもしれない。
でも、お笑いセンスや場の雰囲気を読んで発言出来るのは、康二のほうが長けてる。
何より、誰よりもメンバーを笑顔にしてるじゃん。
6人時代にはなかった引き出しを開いてくれてるのに、なんでこんなに康二は自分自身を傷つけるんだ？
俺は康二の手を握り、しっかり目を見て言葉を紡ぐ。


照「康二、聞いて？」


俺の言葉にコクコクと頷く。


照「俺たちは康二がいらないなんて思ったこと、
　 たったの一度だってないよ？
　 みんな得意なところ、不得意なところがあるだろ？
　 康二はあれもこれも出来なきゃって思ってるかもしれない、
　 出来なきゃ必要ないって思ってるかもしれないけど、
　 みんな康二に助けられてるとこもあるんだよ？」


康「‥‥。」


ちょっと難しい顔してる。


照「メンバーだけどみんな違って当たり前。
　 苦手だって、それがいつか武器になるかもよ？」

康「‥‥うん、そやね！
　 照兄に話して良かった！」


少し心の重荷が取れたのか、ゴシゴシと涙を拭くと、いつものように笑顔を見せてくれた。
やっぱり康二は笑ってる顔が1番似合う。
しかし、まだ大切なことが残ってる。


照「でもね康二、俺、ちょっと怒ってるよ？」

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