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《向井side》
康「っく‥‥ぅっく‥‥」
思わずレッスン場を飛び出し、人があまり近づかない屋上へと続く階段の踊り場へ。
涙が止まらんくて、抱えた膝に埋めた顔がなかなか上げられへん。
出来へんことが悔しくて、辛くて、情けなくて‥‥
1番嫌なんは、こんなに弱い自分自身。
なんでみんなみたいに強くなられへんのやろ。
なんでみんなみたいに上手く出来へんのやろ。
次々と襲いくる負の感情に、余計に涙腺が緩む。
康「ほんま嫌や‥‥」
自己嫌悪で更に落ちていくことなんか分かってんのに、どうしても止められへん。
関ジュの頃はもっと強かったはずやのに、なんで?
中々デビュー出来へんくて、辛い辛いって言うてたくせに、いざデビューさせてもらったら、それはそれでしんどくて、今まで以上にプレッシャーに押し潰されてる。
こんな俺‥‥SnowManに必要なんかな‥‥
康「ぅぅ‥‥」
照「康二っ!」
へっ?
顔を上げると、息を切らした照兄が階段下に立ってる。
なんでここにおるん?
帰っていいよって言うたやん。
照「康二どうしたっ⁈
どっか痛めたの⁈」
必死な顔で俺に近づいてくる。
嫌や、今は俺のそばに来んといて!
康「いやや‥‥あかんっ‥‥」
照「何が嫌なの?
話くらい聞くよ?」
康「っく‥‥ぅぇぇ‥‥」
照兄の優しい言葉に、もう涙腺の蛇口が止まらんくなって、泣きじゃくってしまう。
恥ずかしいのに、ほんまに止められへん。
すると照兄が持ってた自分のタオルを俺の頭に被せたと思ったら、
康「あっ、えっ、えっ⁈」
照兄の肩にヒョイと担がれてしまった。
康「ちょっと⁈照兄⁈」
照「こんな所で1人にしておけない。」
そう言うとスタスタと歩き出した。
軽々と俺のこと持ち上げて運んでるけど、冷静に考えてみたらめっちゃ恥ずかしいっ!
康「嫌やーっ!下ろしてーっ!」
照「こらっ!暴れんな!
あと静かにしてろ。」
ぱしんっ!
った!なにっ⁈
お尻叩かれたんやけど‥‥
照「大人しくしてないともっと叩くよ?」
嘘かほんまか分からんけど、その言葉にビビってもーて、もうなんも言われへん。
仕方がないのでタオルで顔を隠して、なすがまま照兄に運ばれて行く。
もーっ、ほんま勘弁して欲しい‥‥
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CECIL(プロフ) - 苺さん» 初めまして、コメントありがとうございます!現在リクエストを募集する予定はなかったのですが、時間が出来ましたら書かせていただこうと思います。 (1月27日 22時) (レス) id: bc8a21d14d (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 初めまして苺です。リクエストで佐久間君が休みがなくて限界で全員で仕事があるのにマネージャーが迎えに行っても行方不明で皆で心配して電話をしてたら岩本君の携帯に佐久間君のパパから実家にいると連絡が来て阿部ちゃんが迎えに行きお仕置きされる話が見たい (1月27日 19時) (レス) id: 6da2fe3136 (このIDを非表示/違反報告)
CECIL(プロフ) - すずさん» 嬉しいコメントありがとうございます!上手く書けてる自信が全くないので、日々精進です。いつでも読みに来てください♪ (1月25日 8時) (レス) id: bc8a21d14d (このIDを非表示/違反報告)
すず - 続き楽しく読んでます!かわいいし、読みやすいし書くのすごく上手いなって思いました!次はどんな話かな?ってワクワクします!無理ならず作者様のペースで楽しく書いてください!応援してます♪ (1月25日 1時) (レス) id: f9edeb1212 (このIDを非表示/違反報告)
CECIL(プロフ) - もち。さん» 初めまして!コメントありがとうございます!楽しみにして頂けるなんて光栄です♪また読みに来てくださいね! (1月24日 5時) (レス) id: bc8a21d14d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:CECIL | 作成日時:2024年1月20日 4時