配信の裏側に君との内緒事 (ページ30)

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淡雪の内緒事②⑨ ページ30

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部屋に入って目に飛び込んできたのは、いつもは誰もいないはずの男一人暮らしの部屋にいる、A

それだけでも嬉しいのに、Aはキッチンに立ちエプロン姿をしていたのだ…

そんなAから“お疲れ様”なんて言われたら、誰でも同棲生活を想像するのは容易いのではないだろうか

因みに俺はきっちり想像した

役満すぎる

「…あー、今日は出迎えれなくてごめんね」

なんとか口角を元の位置に戻してからAの方に向き直る

「んーん、お仕事だもんしょうがないよ。お疲れ様」

んーーー最高か

ただ立ってるのも気恥ずかしくなりAの居るキッチンの方へ行き、冷蔵庫から飲みのもを取り出す
冷蔵庫の中身は自分の普段の冷蔵庫とは比べ物にならないくらいに、充実していた
昨日はAは普通に会社があっただろうに、あれだけほぼ毎日している配信もお休みしてまでたくさん作って、重い荷物を抱えて遠くまで自分の為に来てくれたと思うと胸が熱くなった

「こんなたくさん、大変だったでしょ…すげー嬉しい」

「いつもお世話になってるしお礼も兼ねてるから気にしないで！」

「お世話っていいけど、俺も好きでやってるだけだし
それにさっきの会議もAと最近色々配信の事話すから、考えとかがすぐ出て来て俺もいい刺激になってんのよ」

冷蔵庫からAの分の飲み物のペットボトルも出すと、ハイっと渡そうと振り返る

が、何故かAはこっちから若干目を逸らしどこかソワソワしている

「…どしたの？」

「え？！なんでもないよ？？？」

いやあからさまでしょ…
もしかして“幸せで死ぬかも”発言は流石にあからさまだったか？

ふと、Aの視線の先あたりを見てみる

「うわ！やったわ」

見つけたのは掃除用具とインテリア雑貨店の袋
そりゃちょっと気まずくなるよね…！！！

うわーーーークソ恥ずかしい

「いや、ね！！Aのうち綺麗だからね！！
俺も真似てみようかなとか思いまして…！！！
別に見栄はりたいとかじゃ…」

嘘です見栄張りたかったです！！！
でもベッドシーツのパッケージとか風呂掃除用具とかは見えてないはず…

「え？…ああ！！それは全然気にしてないよ〜！
むしろ私が来るからって綺麗にしてくれたと思うと嬉しいよ！」

ん？

「…“それは”？」

「あ…」

どうやらこれの事ではないらしい…

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