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Prrr…! Prrr…!
携帯の着信音は深夜0時を回る頃に鳴り響いた。
『……もしもし…』
ベッドで気持ちよく寝ていたAは、それはそれは低い声で応答する。
[A! わしじゃ!!]
耳を劈くような大きな声に思わず携帯の電話口から耳を遠ざけた。
これでは嫌でも目が覚める。
『辰馬…、今何時だと思ってるの?』
[おん? 何時じゃったか? なぁ! 金時!!]
『飲み過ぎないでね、じゃ』
そんな忠告は手遅れかもしれないが一応だ。
電話を切ろうとしたAだったが[ちょい待ちィ!]とこれまた上機嫌な坂本の声が響く。
『…何よ』
枕に顔を埋めながら唸り声のように聞き返す。
此方は眠いのだ、さっさと話を終わらせたい。
[それが…、今家の前に居るきに! 開けてくれんか!!]
『ん、……ん? 家の、前?』
[そうじゃ!]
枕からバッと顔を上げ思わず上体を起こした。
そして部屋の扉に目を向ける。
この先の玄関前に、この電話の主が居る、らしい。
Aは携帯を放置したまま今の格好など気にすることなく玄関へと走った。
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作者名:アカツキ | 作成日時:2024年1月14日 0時