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33. ページ34

 
 




 
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「はぁっ、はぁ…っ!」
 
 
 
 
 


息が切れて胸が苦しい。
 



それでも足を止める事なく全力で歌舞伎町内を走った。
そんな俺に何人かが驚いた顔で振り返ったが気にしていられない。

 
 
 





「A!!」
 
 
 
 




此処で怒鳴り声を上げるのは二度目だ。
今となっては懐かしい。
 
 
 
 




「随分早かったな、銀の字」
 
 
 





たくさんのコードに繋がれたAを見つめる源外は俺の方を振り向きもしなかった。
 







____初期化を開始します。
 
 
 





淡々とした音声が流れ、直ぐにピッピッと嫌な音が鳴る。
 
 
 
 


 


「おい! 止めろ!」

「銀の字、もう止められない」

「A、頼む…」

 
 
 





ふらふらとAに近付いて顔を覗き込んだ。
 


ふ、と開く瞳に俺を写す彼女はそれはそれは穏やかな表情をしている。
 
 
 
 





『貴方のおかげで愛を知りました』
『”A”にはなれなかったけど』
『もう、大ジョウ、夫』
 
 
 
 
 



彼女の伸ばした手のひらが頬に触れる。
体温なんかないはずなのに、此奴はいつだって熱すぎる程の熱を持っているのだ。
 
 
 






「俺はッ、お前に…、…!」
 
 
 
 





Aはもう片方の手も伸ばして両頬を包み込む。
 


そして繋がれたコードがギリギリ抜けない距離まで来るとそっとキスをした。
まるで続きの言葉を言わせないように、口を塞ぐ。
 
 
 
 






『アリガ、と、ウ』
 
 
 
 
 






相変わらず笑顔は”本物”で唇を噛んだが、同じように笑って見せる。
 
 
 
 
 







「…こっちの台詞だよ」
 
 
 
 






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アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時

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