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(No side)
「銀の字は一緒じゃねぇのか」
源外は「まぁ良い」と言いながら、Aに座るよう促した。
着物を脱ぎ、胸辺りの部品を上手く外す。
「おー、こりゃまた、随分と絡まってんな」
『”Aさん”の情報量は、重くて、適いません』
「わはは、そうだろうよ」
『源外さん、私は、どうにかなってしまったのでしょうか?』
ボーッと虚空を見詰めながら、メンテナンスをする源外に聞く。
『彼の”Aさん”に対する優しさや、気持ちが、暖かくむず痒いのです』
「…それが”心”ってやつさ」
『悪い事ですか?』
「いいや、人なら誰もが持ってる」
慣れた手つきでいろんな部品を弄る源外は嬉しそうな顔をしていた。
「そうか、お前さんにも”心”が…、そうか…」
そんな表情をして見せる源外にAは「嘘吐き」と言われた事を話した。
何か分かるかもしれない、と。
しかし源外から求めていた回答は得られなかった。
「もしかしたら”A”に対して、かもしれねぇな」
『”Aさん”は嘘を?』
「さぁ、それは俺には分からねぇ」
そして源外はこう聞いた。
「A、お前さん、辛くなってねぇか?」
その質問に首を傾げ、少し考えた後、首を横に振った。
「そうか、…なら良いんだ」
源外が黙々と作業を続ける中、Aはまた虚空を見詰めていた。
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アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時