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19. ページ20

体を揺すられる感覚に目を覚ました。
 



少し重く動きにくいのはAが俺の上に跨るように乗っているのが原因だ。
 
 
 




「…ぇ、何...」

『起きて〜』

「え…、Aちゃん、それ口で言おうよ…」

『言ったよ、起きなかったの』

 
 
 



眉間に皺を寄せ睨みつけるのを見る限り相当声を掛けてくれたのだろう。
それで目を覚さなかったのだから、完全に俺が悪い。
 
 
 



「すいません」
 
 
 




謝罪の言葉を述べると彼女はもそもそと降りてくれた。
 
 
 
 



「今日なんかあんの?」
 
 
 



上体を起こしてそう尋ねると彼女は益々険しい顔をした。
あ、これは何かまずったかも。
 
 
 
 
 


『今日は源外さんのとこに行くの』
 


「あ、」
 
 
 
 



そうだ。
 
 
 




Aを押し付けられた時、3ヶ月に一回は健診…もといメンテナンスの為に来いと言われていたのだ。
 
 
 
 
 


「忘れてた…」

『良いよ、もう、私一人で行くから』

「は?! おい待てよ」

 
 
 



あからさまに機嫌を悪くしたAは部屋を出て行くと無情にも襖を閉めた。
そしてふと思い出す。
 
 


そうか、もう3ヶ月も経ったのか。
 
 
 



「案外…、早かったな」
 
 
 
 



忘れてた、”A”が居なくなって、そしてAが来て……
俺の日常が彼女によって知らないうちに動き出していた。
 
 
 
 



「はぁーーーッ! 仕方ねぇ! 行くか」
 
 
 
 



ガシガシの乱雑に頭を掻きむしり立ち上がる。
既に家を出たであろうか彼女の後を追うように、急いで身支度を済ませるのだった。
 
 




.
 




.
 
 
 


.
 
 
 




「あ”ーーーもう! 何で今日に限って!!」
 
 
 
 



汗だくになりながら走る後ろから、幾つもの見知った顔が怒鳴り声を上げている。
 
 
 



「銀さーん! アンタ今日こそツケを払ってくんな!」

「こっちもだよ!」

「いつまで待てば良いんだい?!」

 
 
 


これはいよいよ本気でやばい。
 
 
 




「今月中には! 絶対!! 絶対払うから!!」
 
 
 
 




そうは言っても尚も追いかけてくるそれらから逃げるように走っている内に本来の目的を再び忘れることになるなんて。

 
 
 





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アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時

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