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14. ページ15

 
 


「んじゃ、まぁ、とりあえず…」
 





「「乾杯!」」
 
 
 
 
 
ガツン、と少し強めに当たったビールジョッキを口元へ持って来ては一気に半分ほど飲み干した。
 
 
 



「くぅ〜〜〜!! うめぇ〜!!」
 
 
 
 



隣で飲む土方はまだゴクゴクと喉を鳴らして飲んでいる。
 
 
 





「おぉ、良い飲みっぷりだね土方くん」

「ぷは…! うめぇ…!」

「ジャンジャン飲んでこうぜ!」

 
 
 



相手に更にビールを注ぎ、今度は軽く、再びジョッキ同士を当てた。
 





「最近はどうだ?」

「あー? Aの事?」

「…まぁ、そうだな」

「うーん、仲良くやってるよ」

「…! そうか、そりゃ良い」

 
 
 





初めは聞きにくそうにしていた土方もこの返答には表情を明るくした。
運ばれて来た摘みに手をつけながら、続けて話す。
 
 
 




「なんつーかね、初めは巫山戯ンな、とか思ってたけど、」
「今は、まぁ、悪くねぇかな」
 
 






土方にこんな事を言うなんて、まだ数口しか酒は飲んでいないのに。
 
 

しかし、それでもいつもよりもふわふわとした気持ちで気分が良い。
久々に飲む酒は美味いし、隣に居る此奴は職業柄、口は軽くない。
 
 


だから少しくらい良いのだ。
 
 
 




「…本当、”A”が帰って来たみてぇだって俺も”錯覚”するよ」
「外で働いてる所を見たり、お前と歩いてる所を見るとな」
 
 




土方がポツリと言った。
周りの騒音であまりうまく聞き取れなくて、「何?」と聞き返したが教えてはくれなかった。
 
 
 




「後悔してる事はねぇのか?」

「後悔ねぇ…、後悔だらけだよ」

「例えば?」

「そうだなー…」
 
 






質問に答えようとした所、店員が続けて注文の品を運んで来てそれは遮られた。
 
 






「土方は無ェ?」

「あ? 俺? …さぁな、…強いて言えばもう少し側に居てやるんだった…仕事上難しいが」

「あー、分かる、…俺もそんな感じだよ」

「何言ってやがる、お前は仕事関係ねぇだろ」

 
 




軽く此方を睨む土方は直ぐにふ、と息を零して笑った。
 






「お前はまだ”何か”出来るだろ」
「羨ましいな」
____羨ましい
 
 
 




まさか、土方からそんな言葉が出るなんて思っても見なくて面を食らう。
 
 




羨ましくなんかあるものか。
 




喉元まで出掛かった言葉だが、摘みと一緒にビールで流し込んだ。

 
 






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アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時

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