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Aは悩んだ末「お団子が食べたい」と言った。
それは多分彼女が食べたい物、と言うより、俺が好きだからそう言ったようにも思う。
「良いな」
都合良く解釈すんな、と言われればそれまでだがそんな野次は煩い黙れと一蹴りしたい。
「俺みたらし〜」
『私は焼き〜』
「一口ちょうだい」
『そっちもくれたら良いよ』
その言葉に持っていた団子を口元に差し出すとAは少し驚いた顔して、小さな口で団子を頬張った。
「ど? 美味い?」
『ん、』
もぐもぐと口を動かしながら今度は彼女が俺に団子を差し出す。
「うま」
焼き団子も悪くねぇな、俺もそっちにすれば良かったか。
人が食べてると余計に美味そうに見えるのは何故だろうか。
『美味しいね』
まだ少し口内に残る団子を食べながら笑う彼女に俺は咀嚼するのを忘れた。
ハッと我に返りまだ少し大きい団子を飲み込む。
『また来ようね』
「だな」
食べ終わった団子の串を咥えていると『行儀悪いよ』と俺の口から引っ張り出す。
そんな彼女のもう片方の手を握り歩いた。
「次はどこ行きたい?」
何処にだって連れて行ってやりたい。
俺はAにそう聞くと彼女は少しだけ困った顔をして見せた。
『…考えとくね』
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アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時