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「ご馳走さん」
完食した皿を片付けよう立ち上がって、台所で水を流した。
カチャ、と音を立ててやってきたのは新八だった。
「美味しかったですね」
「おう」
「Aさん、料理本読んだり勉強してたんですよ」
「へー...、え?」
手を止めた俺を他所に、新八はスポンジを取り泡立てた。
「銀さん、”色々”教えないと」
「Aさんは”生まれたばかり”なんですよ」
なん、だ… それ。
何も言えなかった。
好き勝手やっておいて、と声を上げたかったがそれは少し違う気がした。
『あ! 片付けも私がやるのに!』
台所の出入り口から顔を覗き込ませ、声を出したのはAだった。
俺と新八は振り返り、顔を見合わせる。
「良いんですよ、これくらい僕らでやります」
『えー…、じゃ、お言葉に甘えて…』
少し申し訳なさそうに去って行くAの足音が遠くなる。
「…お前の言う通りだな…」
「え?」
「色々教えねぇとな」
「…!! そうですよ、僕らも手伝います」
「おー…、頼むわ」
少しずつ、本当に少しずつ変わっている。
それは俺も彼奴も。
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アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時