検索窓
今日:44 hit、昨日:43 hit、合計:16,693 hit

10. ページ11

 




「なぁ、マジで大丈夫? 俺がやるから座ってろって」
 
 
 



あんな事があったばかりだと言うのに、Aは『料理をする』と台所に立っていた。
俺はと言えば彼女が気が気じゃなくて背後をウロウロしてしまう。
 




「銀さん、ほら、任せてみましょうよ」
 


「ウロウロしてたら逆に邪魔アル」
 


「いやいやお前ら此奴何するか分からねぇだろ?!」
 



『失礼な!』
 
 
 




Aは俺を、正確には俺たちを台所から追い出した。
 






『出来るまで大人しく待っててください!』
 





いや、子供じゃねぇんだから…。
 



むしろ彼女の方が子供みたいで危なっかしいのだ。
世の中の母親の気持ちが良く分かった。
 
 
 





「はぁ、…おい! 何かあれば直ぐ呼べよ?! 分かったな?!」

『はーーーい』

「返事だけは一丁前だよ…、全く…」
 






新八と神楽は俺の様子に笑った。
 




「……何だよ」
 




「「別に〜」」
 







その態度に顔を顰めたが言われた通り大人しくして他無いと、ソファに座った。
暫くすると良い香りが漂ってきた。
 


これは、彼女が作った料理の匂いに違いない。
 






『お待たせしました〜』
『今日はオムライスです!』
 







コト、と置かれた皿の上には綺麗に盛り付けられたオムライス。
ケチャップで丁寧に「ぎんとき」と書かれている。
俺はスプーンでそれを掬い一口、口へと運ぶ。
 



その様子を彼女は息を呑むように見た。
 







「…うん、美味い」
 




『…! ほんと! 良かった』
 








残りの二人も食べ始めて顔を綻ばせた。
 
 






「ほんと! 美味しいです!」
 



「毎日オムライスでも良いアル!」
 




 

Aは嬉しそうに頬を紅潮させて、自分も、と小さな口で食べ始めた。



 
 





「……今度はハンバーグが食べてぇな」
 




『…!! 作るね!』
 
 








 
俺たちのやり取りに新八神楽が顔を見合わせて笑ってるなんてつゆ知らず。
残りのオムライスを腹の中へと収めた。


 
 
 






---

11.→←9.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (103 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
80人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 万事屋
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

アカツキ(プロフ) - おひなさん» はじめまして、温かいコメント有難うございます。またご縁がありましたら読んでくださると嬉しいです (8月15日 7時) (レス) id: a7c4fa7239 (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!😊 (8月14日 23時) (レス) @page38 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:アカツキ | 作成日時:2023年7月24日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。