【銀魂】ほこたて

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「助かった」

『お怪我が無くて良かったです』

「お前は腕が切れてるな」

『擦り傷ですので』


　




大したことはない。
　



そう言っても血は出ているので、土方は自身のスカーフを外すと彼女の傷口を覆うように巻いた。
Aは驚いた顔をするが今更拒否したところでスカーフは血で汚れてしまっていて何とも言えない表情になった。
　






「何事かと思ったわ」

「万事屋…、此奴を送ってくれたのか」

「まぁね」

「重ね重ね悪かったな」

「……この前から素直過ぎて気持ち悪いよ」

「んだとコラ」

　
　
　



そんなやりとりをしている中。
Aが、…Aの土方を見る目に気付いてしまった。
腕に巻かれたスカーフをもう片方の手で抑えている。
　
　
　
　



「(な、んだよ、その顔)」
　






前言撤回。



たまに似てるなんて嘘だ。
　







『副長、神楽さんが「次は酢昆布を持って来い」と』



「あ”?」



「あーあー!! だから無視しろって!!」

　
　
　


そんなことを言いながらAを横目に見たがもう先ほどの表情はしていなかった。
銀時は少し惜しいことをしたと思う。
　
　






「ま、良いや…、んじゃ俺はもう行くわ」

『坂田さん』

「ん?」

『有難うございました』

「…いーえ」

　
　
　
　




深々頭を下げたAに背を向け歩き出したが、チラと振り返ると彼女は土方と何やら会話をしていた。
　
　
　






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