【銀魂】ほこたて

おまけ ページ45

　


「よォ〜Aちゃ〜ん、元気してたか〜?」

　
『松平公、お変わり無いようで』
　
　



サングラスを掛けた如何にもな男、松平片栗虎はAの肩に腕を組み絡む。
　
　



「とっつぁん、それくらいにしてやってくれ」
　
　


それを止めたのは土方で、松平は口を尖らせる。
　
　



「ンだよォ、良いじゃねぇかよ、久々なんだから〜」
「それに、今日はお前に良い話を持ってきたんだぜェ?」
　




「良い話?」



　

彼の言葉に土方は怪訝そうな顔になる。
　

　

それも無理はない。
　
　


松平の言う「良い話」に碌な事は無いと長い付き合いを経て理解している。
　
　




「見合いだ」

「断る」

「なーんで!! 良い子だよ?! ほら、可愛いよォ?! せめて写真くらいみろィ」


　



差し出された見合い写真を受け取ったのは土方ではなくAだった。
　
　
　



『本当ですね、素敵な方です』

「だろォ〜?」

『ですがお断りします』

「だから何でだよ〜、というかこの話はトシに…」

『副長は私で手一杯ですので』


　




数秒、松平だけではなく土方本人も驚き口を開けたまま固まった。
Aに関しては何か変な事を言っただろうか、と首を傾げる。
　
　




「…聞いてないよ?」

『言ってないです、業務と関係ないので… 報告が必要でしたか?』

「必要でしょうよ?! 上司だよォ?」

『それは失礼しました、では今言いました』

　
　




土方は手のひらで顔を覆い、深い溜息を吐き出した。
これは面倒なことになりそうだ、と。
　
　




「水臭ェ!! そういう事なら祝いだ!!」
「御前ェら! 準備しなァ!!」
　
　




松平の怒鳴り声にも近い号令に隊士達がバタバタと出てきて慌ただしく屯所内を駆け回る。
まるでト○ロに出てくるまっ○ろくろすけのようだ。
　
　




「まぁ、身内が相手なら安心だ、この見合いは断っといてやるよ」

「…それは、…そうしてくれると助かる」

「よぉ〜し! 酒だ!」

「とっつぁん…アンタ、飲みてェだけだろ…」

　




松平は聞く耳持たず軽快な足取りでその場を後に去って行く。
台風のような人だ。
　
　




『…言うのは不味かったですか?』

「いや、良い、隠してる訳じゃねぇからな」

『なら良かったです』

「お前は酒は飲むなよ」

『分かってます』

　
　



残された二人はそんな会話をして顔を見合わせると小さく笑うのだった。
　





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殿堂入り記念でした。
お粗末。

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