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副長がこの家に来る時は決まって何かに悩んでいたり、抱え込んでいる時であることを知っている。
 



本人は無自覚のようだが。
 




『何があったんですか?』
 




Aの用意した朝食を食べていた土方はその質問に箸を止め、彼女を見た。
 


そして再び食べ始める。
 





「何がだ」

『何か考えことでも?』

「何故」

『副長がこの家に来る時は大体何かある時なので』

「ンな事ねぇ、此処は俺の家だからな。帰りたくなったら来る…それだけだ」
 





長年一緒に居れば嘘など簡単に見破れる。
 


Aがあまりにジッと見つめてくるもんだから、土方も居心地が悪くなって深い溜息を吐いた後、口を開いた。
 






「…お前は俺をズルいと思うか?」
 





その質問にAは即答で『はい』と答えた。
 





『自覚無かったんですか?』

「だからってお前…、そんな即答するか? もうちょい考えて…」

『そういう所もズルいと思いますよ』

「ぅ”…」

 





はっきりとそう言われ返す言葉の無い土方は鈍い声を出した。
その様子にAは少し笑い、『でも、』と続けた。
 






『それでも良いんです、私もズルい女なので』

「お前が? ズルい?」

『だってそうじゃないですか? 副長の側に居られる為なら何だって良いんですから』

 





サラっとそんな事を言って見せる彼女はなんて事ないとでも言うように自分も食事を始めていた。
 


土方は驚く目を丸くする。
 






「お前…そんな事言うんだな…」

『意外でしたか? 私は元々こうですよ』

「…なァ、A、俺は」


 




土方の声に、言葉にAは顔を上げた。
 



その話出しは”聞き覚え”がある。
 




…そうだ、その時は目が覚めてしまって最後まで聞けなかったのだ。
次の言葉を待つ時には、心臓がやけにうるさくて体温が上昇した。


 






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アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 最後まで読んでくださり有難うございました。めぐぽん様からのコメントとても励みになりました。 (7月2日 22時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 完結、お疲れ様です!改めて、アカツキさんのお話が好きだと思いました。また楽しみにしてます! (7月2日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 完結の目処は立っていますので更新はコンスタントに行えると思います。最後まで見守って下さると嬉しいです。コメント有難うございます (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あさん» はじめまして。コメント有難うございます。かなり前に書き溜めてた作品を軽く手直ししながら載せているので至らない所もあるかもしれませんが、最後まで楽しんで頂ければ幸いです... (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが楽しみです! (6月24日 12時) (レス) @page16 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年6月21日 22時

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