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二人の仕合は真剣勝負であり、その名の通り真剣が使用された。
もうかれこれ5分以上の攻防が続いていたが周りは飽きるどころが息を飲み見守っている。
「旦那、ぶっちゃけどっちが優勢だと思いやすか?」
「優勢は土方くん。Aちゃんは怪我してるし」
「優勢”は”?」
「Aちゃんは負けねぇよ、迷いが無いから」
腕を組み道場の壁に凭れ掛かる銀時は二人から目を離す事無く沖田と会話した。
「あと、俺がアドバイスしたから」
「…! へぇ、それはどんな?」
沖田がそう聞こうとした時、平行線だった戦いが動き出した。
傷が痛んだAが体勢を崩し地面へと倒れ込みそうになる。
それを土方は見逃さない。
「(終わりだ)」
土方だけではない。
誰もがそう思った。
しかし「降参」の音を上げたのはAでは無く、土方の方だった。
「「「……」」」
体勢を崩していたはずのAは片手を地面に付き体を支え、刀を握った腕を伸ばし土方の喉元に切っ先を向けていた。
「...お前、わざと…」
Aは何も言わない。
代わりに『はぁ、はぁ…』と息切れしているばかりで言葉が出ない。
その様子に駆け出したのは銀時だ。
「勝負は付いたな…、A、大丈夫か?」
Aはコクコクと頷き、刀を下ろす。
「とりあえず傷開いてねぇか見てもらえ」
肩を貸し彼女を隊士に受け渡すとAは『旦那、』と銀時を呼び掛けた。
『勝ったのに、負けた気分です』
「…!」
『可笑しいですね』
隊士達に連れられ道場を出て行くAに、銀時も土方も顔を合わせた。
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アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 最後まで読んでくださり有難うございました。めぐぽん様からのコメントとても励みになりました。 (7月2日 22時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 完結、お疲れ様です!改めて、アカツキさんのお話が好きだと思いました。また楽しみにしてます! (7月2日 12時) (レス) id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - めぐぽん(*´・∀・)さん» 完結の目処は立っていますので更新はコンスタントに行えると思います。最後まで見守って下さると嬉しいです。コメント有難うございます (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あさん» はじめまして。コメント有難うございます。かなり前に書き溜めてた作品を軽く手直ししながら載せているので至らない所もあるかもしれませんが、最後まで楽しんで頂ければ幸いです... (6月24日 14時) (レス) id: d828e70b5b (このIDを非表示/違反報告)
めぐぽん(*´・∀・)(プロフ) - 更新ありがとうございます!続きが楽しみです! (6月24日 12時) (レス) @page16 id: baf8bee298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年6月21日 22時