【銀魂】パズル&ピース

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美術室は鍵が掛かっていて入れそうになかった。
扉の窓から見えるパズルは少しだけ進んでるのを見ると高杉が来ていたんだと分かる。






『……』






踵を返して下駄箱へと続く階段に向かう途中、廊下の曲がり角でドン、と何かにぶつかった。







『す、いません』


「…何してんだ」






低い声に顔を上げるAの前には学ランを着崩した高杉の姿。


高杉もまたぶつかった人物がAであることに驚きながらも彼女だと認識すると表情が和らいでいた。







『さっきまで図書室でテスト勉強していたんです』
『…帰る所だったんですけど、パズルが気になったので美術室に寄り道して』
『鍵が掛かってて中には入れなかったです』







一通り説明を聞いた高杉はじっとAを見た後、「帰る」と一言。
そして下駄箱へ続く階段を降り始めた。
登ってきたばかりであろうに、何しに来たのか聞けないままのAはとりあえず挨拶を返す。







『あ、さようなら』


「何言ってんだ、お前も帰るんだろうが」






階段の途中で振り返り冷たくそう言うとまた降りて行ってしまう。
Aは慌ててその後を追った。







『高杉先輩、美術室入りました?』

「何でだ」

『窓から覗いたら少し進んでるように見えたので』






下駄箱からローファーを取り出して履き替えながらAは高杉に質問した。
学年が違うので反対側の下駄箱にいる高杉は一拍置いて「いや、」と否定する。







「お前も言ってただろ、『鍵が掛かってた』って」
「どうやって入れるってんだ」







それもそうなのだが。



何となく納得はいかなかったが追い詰める気にもならず、それ以上Aは何も聞かなかった。






『テスト期間早く終わると良いですね』

「お前でもそう思うんだな」

『私を何だと思ってるんですか』

「ｸｸｯ、真面目ちゃんだろ?」







確かに彼女は普段問題も起こさないし成績も悪い訳でもない、どちらかと言えば優良生徒だろう。
それでも高杉の言い方は何だかムカついて口を閉ざした。








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