【銀魂】パズル&ピース

12. ページ13

　






ﾐｰﾝﾐﾝﾐﾝﾐﾝ…

　





喧しい程鳴き声を上げる蝉も、校庭の地面からじわじわと湧き上がる太陽の熱も全部忘れたくなるような日だった。
　








「あ〜〜〜っちぃ〜〜〜!」



　





銀八はこの暑さを少しでもどうにかしようと手元のバインダーを団扇の代わりに扇いでいた。
汗のせいでシャツは肌にくっつき気持ちが悪いがどうする事も出来ない。
　
　






「だらしねぇな、もう少し教師らしくできねぇのか」
　
　







高杉の悪態に言い返す気にもならない。
　
　








「そうは言うけどね…、お前こそ、その眼帯暑くねぇの?」
　
　








夏休みなのにどうして学校に居るのかと言えば理由は単純。
　






受験の年とあり、高杉はあまりに授業をサボっている為補講があるのだった。
いつもならそれすらもサボっているところだが、担任の銀八の立場もあり仕方なしに登校した。
課題に出されたプリントを解き終え、銀八に渡す。
　
　







「…やれば出来んだからちゃんとやりなさいよ」

「出来るんだから必要ねぇだろ」

「学生の本分は勉強なの、振りでも良いからやれ」
　
　






銀八とて好きで補講に付き合ってる訳ではない。
それを理解してる高杉はそれ以上何も言わなかった。
　
　







「っと…もうこんな時間か」
　
　






視線の先の時計は12時を示していて、銀八はおもむろに立ち上がる。
　
　







「何かあんのか?」

「Aの様子見にいかねぇと、美術室に居るから」

「…夏休みもやってんのか」

「熱心だよねー、…高杉ついでに様子見てきてくんね?」

「あ? 何で俺が」

「俺はお前の課題採点してくるわ」
　
　







そう言い残し教室を出て行く銀八に、置いて行かれた高杉はそれはそれは深い溜息を吐き出した。
無視して帰っても良いのだが、何となく彼女の様子も気になるので言われた通り美術室に行くことにした。
　
　









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