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「『あ、』」
Aと、もう1人の見事なハーモニーに余所見をしていた銀時は「げッ」と嫌な顔をした。
「いや〜ん!! 銀さんじゃない!!」
Aの事などお構い無しに銀時に抱きつこうとする彼女にAが間に入って阻止する。
それにはピタと動きを止める。
「あら? 銀さん?」
咄嗟の行動にA自身『(しまった)』なんて思ったが何か言い訳をする前に別の女性が顔を出した。
「あー…お前も居たのか」
「居ちゃ悪いですか?」
「痛でででッ!! 言ってねぇだろそんな事!!」
銀時の顔面を手のひらで掴みギリギリ嫌な音をさせている。
「…? どちら様?」
『えっ、あ、』
2人のやり取りに驚き、見てる事しか出来なかったAに気付いた女性は銀時から手を離し首を傾げた。
『さ、坂田Aです… 初めまして』
おずおずと自己紹介するAに彼女は勢いよく手を掴んだ。
「貴方がAさんね!! 新八の姉の志村妙よ」
「会いたかったのよ〜」とぶんぶん握手をする彼女にAは面を喰らいつつ苦笑いした。
「ちょっとちょっと、私は無視?!」
『あ、あの!! 猿飛さん、』
「......何よ」
横槍を入れるように入ってくる猿飛がまた厄介な事を言い出す前に阻止しようとしていた銀時だったがそれよりも前にAが声を上げた。
『か、彼は、私の旦那さんなので…!!』
『あまりベタベタしないでください!!』
「「「......」」」
銀時を含む3人は目を大きく開き驚いた顔をする。
Aはと言えば恥ずかしさからかじわじわと顔を赤くさせ、次第に俯いた。
たまたまその場を通り掛かった街の人たちもAを見ている。
中には「ひゅー」なんて揶揄う声も聞こえた。
『か、帰ります…!』
耐えきれなくなったAは踵を返し足早にその場を去った。
「え、ちょっ、待…!! A!!」
その後を追い掛ける銀時と、取り残されたお妙と猿飛は顔を見合わせた。
「猿飛さん、また何かやったの?」
「"また"って何よ?!」
「素敵な奥さんね」
「本当、ムカつく」
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アカツキ(プロフ) - 〇〇さん» 初めまして、コメント有難うございます。そのように言って頂けて嬉しいです。パスワードの件ですが、現在全ての作品に置いて鍵の掛かっている作品は非公開とさせて頂いています。公開の予定もパスワードをお教えする事も出来ません。申し訳ありません (4月14日 9時) (レス) id: 7588857b81 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - すごくよかったです 読んでてドキドキしてなんかもう最高でした!! あの質問なんですけどパスワードがかかってる小説あるじゃないですか、その、パスワードって教えていただけますか? (4月14日 7時) (レス) @page44 id: 6c4944cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 蘆花さん» 初めまして、コメント有難うございます。既に完結の目処も立っておりますので最後まで楽しんで下さると嬉しいです (2023年3月28日 12時) (レス) id: 59cea801ed (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - やだステキ応援してます! (2023年3月28日 12時) (レス) @page11 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 東雲さん» コメントありがとうございます。出会いについてはこれから少しだけ書けたらなと思っておりますので楽しみにして下さると嬉しいです (2023年3月27日 19時) (レス) id: 61673d253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年3月25日 20時