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ドタンッドタン!!
明らかに"誰か居る"音が天井裏から聞こえてきてAは顔を青くした。
『え"っ?! なになになに怖い!!』
銀時にしがみつき、物音のした天井を見上げる。
誰が居るのか分かってる銀時は「大丈夫だ」とでも言うようにAの肩を抱き寄せる。
「さっさと出て来いストーカー!!」
「ストーカーじゃないわ!! 貴方の雌豚よ!!」
「頼むから誤解を産む言い方やめてくんない? 死ぬよ? 俺が」
天井の穴から華麗に降りてきた薄紫の長髪を靡かせた女にAは空いた口が閉じない。
そんな彼女にズカズカと近寄り品定めするその女は「ふーん…?」なんて唸った後鼻で笑う。
「銀さんの奥さんだか愛人だか知らないけど彼は私の物よッ!!」
『え』
新八と神楽は呆れ顔でやれやれと首を振った。
それに対して銀時だけは女の言葉に慌てた様子で弁明する。
「違う違う違う!! 違うよ?! Aちゃん?! 本当に!! 此奴頭可笑しいんだっていやまじで」
「おい手前ェッ!! 巫山戯んなよ?!」
「いやん♡ 銀さんたら今日は(言葉責めが)激しいのね♡」
「興奮しちゃう♡」
Aはゆっくり銀時から離れる。
「え…っ、A…?」
スっと後退りするように寝室へと戻り戸を閉じた。
シーン、と何とも気まずい空気が流れたが直ぐにまた戸は開かれた。
彼女はきっちりと着替え終えており、何も言わないまま玄関へと歩く。
「Aさん、何処に...」
『買い物に行ってきます』
「わ、私も行くヨ…!!」
『一人で大丈夫です』
まるで何事も無かったように万事屋を出て行こうとするAに今まで黙って見ていた新八も神楽も多少慌てた様子を見せる。
まずい、非常にまずい。
銀時はと言えばぐるぐると思考を巡らせ、かきたくもない汗をダラダラ流している。
「待てって、A!!」
『......』
何か言い返してくれればどれほど救われただろうか。
しかしAは冷たい視線を銀時に向けるだけで玄関の戸を閉めるのだった。
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アカツキ(プロフ) - 〇〇さん» 初めまして、コメント有難うございます。そのように言って頂けて嬉しいです。パスワードの件ですが、現在全ての作品に置いて鍵の掛かっている作品は非公開とさせて頂いています。公開の予定もパスワードをお教えする事も出来ません。申し訳ありません (4月14日 9時) (レス) id: 7588857b81 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - すごくよかったです 読んでてドキドキしてなんかもう最高でした!! あの質問なんですけどパスワードがかかってる小説あるじゃないですか、その、パスワードって教えていただけますか? (4月14日 7時) (レス) @page44 id: 6c4944cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 蘆花さん» 初めまして、コメント有難うございます。既に完結の目処も立っておりますので最後まで楽しんで下さると嬉しいです (2023年3月28日 12時) (レス) id: 59cea801ed (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - やだステキ応援してます! (2023年3月28日 12時) (レス) @page11 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 東雲さん» コメントありがとうございます。出会いについてはこれから少しだけ書けたらなと思っておりますので楽しみにして下さると嬉しいです (2023年3月27日 19時) (レス) id: 61673d253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年3月25日 20時