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「今日、"Aさん"と会うんですよね?」
「ちゃんと連れて帰って来るヨロシ」
普段は早起きなどしない神楽までもが洗面所に顔を出して銀時にそう言った。
「うるせぇなー、言われなくても分かってるっつーの」
そう冷たく答えるのも無理はない。
銀時に奥さんが居ると知ってから、「次はいつ会うのか」「どんな人なのか」「早く紹介しろ」と口煩く言われ続けていたのだ。
「僕もですけど、神楽ちゃんも楽しみにしてるんですよ」
眉を八の字にして苦笑いしてみせる新八に銀時も何も言えなくなった。
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待ち合わせはターミナル。
そこはいつだって人の流れが多く、待ち合わせするには少しばかり不向きではあるのだが。
壁際に寄って凭れ掛かっていると小柄の女性がやや大きめのキャリーケースをガラガラと引きながら近づいてくるのが見え、銀時は壁から背中を離した。
「A」
『銀時!』
「随分な荷物だな」
『荷造りしたらこんなになっちゃって...』
「ったく、ほら貸せ」
彼女の手から荷物を受け取り、歩き出す銀時をAは裾を掴んで阻止する。
「どした?」
『ん...、ちょっと緊張しちゃって...』
「お前を連れて帰らねェと俺がやばいんだって」
『神楽ちゃんと新八くんだよね、緊張しちゃうな』
「あー…、まぁ会えばそんなのも忘れるよ」
『うん』と浅く頷くAに、銀時は彼女の頭を撫でて笑う。
大丈夫、とでも言うようなその顔にAは漸く決心が付いたのか銀時の裾から手を離す。
『挨拶の手土産買わないと!!』
「いーって気ィ使わなくて」
『第一印象は大切でしょ? それに…』
「それに?」
Aは頬を紅潮させてにっこり笑う。
『これはデートの口実でもあるんだよ』
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アカツキ(プロフ) - 〇〇さん» 初めまして、コメント有難うございます。そのように言って頂けて嬉しいです。パスワードの件ですが、現在全ての作品に置いて鍵の掛かっている作品は非公開とさせて頂いています。公開の予定もパスワードをお教えする事も出来ません。申し訳ありません (4月14日 9時) (レス) id: 7588857b81 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇(プロフ) - すごくよかったです 読んでてドキドキしてなんかもう最高でした!! あの質問なんですけどパスワードがかかってる小説あるじゃないですか、その、パスワードって教えていただけますか? (4月14日 7時) (レス) @page44 id: 6c4944cbd5 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 蘆花さん» 初めまして、コメント有難うございます。既に完結の目処も立っておりますので最後まで楽しんで下さると嬉しいです (2023年3月28日 12時) (レス) id: 59cea801ed (このIDを非表示/違反報告)
蘆花(プロフ) - やだステキ応援してます! (2023年3月28日 12時) (レス) @page11 id: bf60b993eb (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 東雲さん» コメントありがとうございます。出会いについてはこれから少しだけ書けたらなと思っておりますので楽しみにして下さると嬉しいです (2023年3月27日 19時) (レス) id: 61673d253f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2023年3月25日 20時