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「お、やっぱり此処か! 銀さん、アンタに手紙を預かってるよ」

 
 
 


飲み屋に来た顔見知りの親父はカウンターに座る銀時を見つけると声を掛けた。
その様子は既に酔っ払っているようにも見え、此処が2件目であることが窺える。
 
 
 




「手紙ィ?」
 
 
 
 
 


そんな銀時もすっかり酒の染みた体で良い気分になってたので渡された手紙を見て顔を顰める。
確かに「坂田銀時 様」と丁寧な筆字で書かれていたが肝心の差出人は不明だった。



 

しかし銀時はそれが誰だか分かったのか益々顔を歪める。
 
 
 





「顔はよく見えなかったが綺麗な着物を着た兄ちゃんだったよ」

「手紙なんざ、相変わらず悪趣味なことしやがる… 其奴何か言ってた?」

「そうそう、急ぎだから直ぐ読むように伝えてくれって言われたね」
 
 
 






そう言われながらも銀時は封を開けようとはしない。
ただ立ち上がって店主に「勘定」と伝えると懐から金を出してカウンターに置いた。
 
 
 


いつもであればツケの彼にしてはらしくない行動に手紙を受け渡してくれた親父も店主も驚いた顔をしたがそんなことも気にせず足早に店から出て行く。

 
 




 

「はぁー…」
 
 
 
 
 



外は少し肌寒く、風が冷たいが酒で温まった体には丁度良かった。
 
 
 

手に持った手紙に目を向け、誰も居ない場所で封を開けた。
 
 
 
 




「_______宵月、橋の元にて待つ」
「_______花が咲いた」
 
 
 
 
 
 



「......"花が咲いた"...」
 
 
 
 
 




 
短い文の最後を読み上げた銀時はバッも顔を上げる。
空にはぼんやりと月が浮かんでいて、次の瞬間には走り出していた。
 
 
 
 
 



 

「はぁっ、はぁ…っ」

 
 
 
 
 
 

息が切れようと手のひらの手紙が握り潰されていようと走る。
向かう先は「橋の元」。
 
 
 
 
 
 




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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント有難うございます。登場キャラの想いが交差してぐちゃぐちゃに絡まるような、そんなお話にしたかったのですが難しかったです... 最後まで読んでくださり有難うございました (2023年2月12日 10時) (レス) id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 切なくて切なくて、でもとても美しい作品で、涙が止まりませんでした。本当に最高の作品でした。ありがとうございました。 (2023年2月12日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おひなさん» 初めまして。コメント有難うございます。土方さん落ちは久々だったのでこれで良いのか迷走しましたが、おひなさんの暖かい言葉に救われました (2023年2月9日 7時) (レス) @page49 id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 最っ高な作品をありがとうございました!終始涙腺崩壊でした!w (2023年2月9日 2時) (レス) @page49 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年12月27日 23時

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