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好きだ___。
言葉が頭の中をぐるぐる周り、眠れない。
あれが例え本心じゃないとしても嬉しいと思ってしまったのだ。
ひら…
だからまだこうして花弁が溢れて止まらない自分が本当に嫌になる。
パラパラとノートを捲っていき、真っ白の新しいページに新しい花弁を挟んで閉じた。
「随分厚くなったじゃん、それ」
声の方に顔を向けずとも、それが誰なのかは分かる。
『ノックくらいしてよ、銀時』
「したけど?」
『聞こえない』
「……」
銀時は黙ったまま大袈裟にコンコンッ、と大きめのノックをしてみせる。
『何か用?』
「冷てェな、来ちゃ悪いかよ」
『…そんなことない、違うの』
か細くなるAの声色に銀時はゆっくり側に寄り、椅子ではなくベッドの上に腰を下ろした。
その反動で少しだけベッドが揺れ動き、ギシ…と軋む音を立てる。
「眠れねぇの?」
銀時の手がAの顔へ伸びていき、目の下のクマを伸ばすように親指で触れた。
『私、銀時に言ったよね』
「何を」
『"言わないで"って。…嘘つき』
その言葉に銀時はぴくりと反応して固まる。
「…彼奴に何か言われたの?」
Aの瞳が鋭く揺れ動いてこれでもかと瞳孔が開いた。
その目が銀時を貫き、冷たく刺さった。
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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント有難うございます。登場キャラの想いが交差してぐちゃぐちゃに絡まるような、そんなお話にしたかったのですが難しかったです... 最後まで読んでくださり有難うございました (2023年2月12日 10時) (レス) id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - 切なくて切なくて、でもとても美しい作品で、涙が止まりませんでした。本当に最高の作品でした。ありがとうございました。 (2023年2月12日 7時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - おひなさん» 初めまして。コメント有難うございます。土方さん落ちは久々だったのでこれで良いのか迷走しましたが、おひなさんの暖かい言葉に救われました (2023年2月9日 7時) (レス) @page49 id: 359e2a8a6b (このIDを非表示/違反報告)
おひな(プロフ) - 最っ高な作品をありがとうございました!終始涙腺崩壊でした!w (2023年2月9日 2時) (レス) @page49 id: fb3fd917e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年12月27日 23時