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「此方の絵を一枚頂けますか?」
丁寧な優しい言葉遣いでそう尋ねるおばあさんに一つ頷いて見せたあと「欲しい」と言われた絵を風呂敷に包んだ。
「貴方の絵、好きだわ」
『あり、がとうございます』
「大切にするわね」
にこやかに笑う女性に、どこまでも美しい人だと思った。
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「これ、万事屋か?」
黒い服に身を包み、腰には刀を所持する男。
真選組副長である土方十四郎が足を止めた。
『土方さん、こんにちは』
「あ、嗚呼...」
『万事屋さんをご存知なんですか?』
「ご存知も何も、彼奴らは有名だからな」
「良い意味でも悪い意味でも」と付け足す。
『最近、依頼で描かせて頂いてるんです』
「へぇ…、…彼奴はもっと死んだ目ェしてねぇか?」
まじまじと絵を見る土方の後ろから「おい」と声が投げ掛けられた。
「誰が死んだ目してるって?」
いつものように片腕脱ぎのその人はその腕を懐へと突っ込み死んだ目を此方に向けている。
丁度背中に太陽が在るのか逆光で眩しい。
「ハッ、噂をすりゃお出ましか」
「俺の目はいざと言う時に煌めくんですゥ」
「どうだか」
二人の流れるような言い争いは耳が痛い。
『あの......他所でやってくれますか』
「A〜、此奴酷くね? 俺の目が死んでるとかさ〜」
『まぁ、あながち間違いでは無いので』
「うっわ! 傷付いた」
Aと銀時のやり取りに、今度は土方の方が黙って見てるのだった。
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アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» 黒猫さん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。終わりが見えずグダグダと更新してますがそろそろ本気で終わらせようと思います… (2022年10月26日 7時) (レス) id: 16de2d871f (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 衝撃的な展開! てかお前かい! このモブめo(`ω´ )o (2022年10月24日 22時) (レス) @page21 id: 8c85f5adc6 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» コメント有難う御座います。もう少し続きますが最後まで楽しんでいただければと思います (2022年8月23日 7時) (レス) id: 5f592be880 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 応援してます! (2022年8月22日 21時) (レス) id: 1ec2eca413 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年8月21日 17時