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「"A"、つったっけ? あんな時間も忘れる程何描いてたの?」


 





先生に「送ってあげて」と言われた彼は律儀にも家までの道を一緒に歩いてくれていた。
"万事屋"という何でも屋を営む彼は坂田銀時と言うそうだ。
他の2人は神楽、新八という従業員だと教えてくれた。



 





『何も』

「は?」

『何も描いてません』

「いやいや嘘つくなよ、めっちゃ画材とかあったし、倒れる直前まで筆動かしてただろうが!!」



 






捲し立てるように声を荒らげる銀時に、驚いた顔をした後直ぐに弁解した。



 





『違くて...、目的があって描いてる訳じゃないんです』
『ただその瞬間を残しておきたくて描いているんです』




 




そう言うと彼はまだ訝しげな顔をするので立ち止まってトートバッグの中を漁る。
そして一冊のスケッチブックを取り出しては手渡した。

 



怪しんでいたわりにいざスケッチブックを渡されると恐る恐るとした手付きで表紙から丁寧に捲っていく。




 




「......すげ...」

『ここは河川敷で描きました』

「...これは公園か?」

『はい、よく行きますか?』

「散歩にね」

 







彼の様子に私は思わずクスリと小さく笑う。
作品に吸い込まれるように見るその瞳がキラキラしてて綺麗で、何だか目が離せなくなった。



 





「見せくれて有難うな」



『...いえ』


 




そうこうしている内にアパートに着いてしまい、どこか名残惜しい気持ちになった。


 





『有難うございました』

「...なぁ、」

『…?』

「また描いたら見せてよ」

 







照れ臭そうに、ふわふわの髪を掻きながら言う彼に微かに頬を染めて笑った。








 
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設定タグ:銀魂 , 坂田銀時 , 万事屋   
作品ジャンル:アニメ
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アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» 黒猫さん、お久しぶりです。コメントありがとうございます。終わりが見えずグダグダと更新してますがそろそろ本気で終わらせようと思います… (2022年10月26日 7時) (レス) id: 16de2d871f (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 衝撃的な展開! てかお前かい! このモブめo(`ω´ )o (2022年10月24日 22時) (レス) @page21 id: 8c85f5adc6 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 黒猫さん» コメント有難う御座います。もう少し続きますが最後まで楽しんでいただければと思います (2022年8月23日 7時) (レス) id: 5f592be880 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 応援してます! (2022年8月22日 21時) (レス) id: 1ec2eca413 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年8月21日 17時

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