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「ククッ、ははっ!!」
そんなに変な質問だっただろうかと、Aは困惑し苦笑いを浮かべた。
一頻り笑い、満足したのか男は「高杉晋助」だと名乗った。
「なァ、知ってるか」
「近々祭りがあるらしいぜ?」
『お祭り、ですか?』
『その季節はまだ先では......』
「折角だ、お前さんも【招待】してやらァ」
「"旦那"と一緒に楽しめや」
先程の笑い方とは違い、悪戯に口角を上げる高杉はAにとって不気味で思わず距離を取ろうと後退る。
それすらも高杉は可笑しそうに目を細め笑うが、要件を伝え終えたからか踵を返し背を向ける。
『高杉晋助......、』
その名前は知っている。
『過激派、攘夷浪士......』
.
.
.
「随分遅いから心配しましたよ!」
玄関の開く音を聞きつけてか、新八はバタバタと彼女の帰りを迎え入れた。
『ごめんなさい』と謝るAの手から頼んでいた荷物を受け取る彼は困った様に笑う。
「何も無いなら良いんです」
「......ぁ!! ちょっと、銀さん!! いちご牛乳なんていつの間に頼んだんですか?!」
袋の中を覗き確認した新八はそれを見付けるとそのまま居間の方へと戻って行った。
Aはと言えば、ふぅ、と小さな溜息を吐き出して靴を脱いだ。
たった今、彼女が居たであろう外はもう暗い。
『寂しいな』
最近まで近く居た存在を思い出し、そんな感情を抱く。
あの執拗いくらいのキスも、抱き締めてくる大きな身体も、煙草の香りも。
『はやくたくさん欲しい』
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アカツキ(プロフ) - -sara-さん» 此方の作品も読んで下さり、そしてコメントまで有難うございます。夢主ちゃんは皆様のご想像の中で存在して欲しいので詳しく設定等は記載しないのですが、sara様の頭に夢主ちゃんが浮かんでくれて嬉しいです! お褒め頂き光栄です、有難うございます (2021年8月16日 8時) (レス) id: 2cb0f29e5d (このIDを非表示/違反報告)
-sara-(プロフ) - こちらにも、こんばんはm(*_ _)mどうやら、私はアカツキ様の土方さんが大好きな様です(笑)元々好きではありましたが、素敵すぎます!あと、ヒロインちゃんも凄く好きです!なんか、映像として頭に浮かんできちゃいます。最後の「猛獣使い」が個人的に大好きです! (2021年8月16日 3時) (レス) id: 7c2d2afbf6 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - あめちゃんさん» コメント有難うございます、無事完結する事が出来てホッとしています。久々に土方落ちを書いた気がしますが、なかなかに楽しかったのでまたいつか出したいですね。応援有難うございました (2021年2月16日 16時) (レス) id: adf8f89573 (このIDを非表示/違反報告)
あめちゃん(プロフ) - アカツキさん» 完結おめでとうございます!!土方さんの良さがすっごいよく表現されていて、いつも読む手が止まりませんでした。私の作品も読んでいてくださりありがとうございます!こちらも頑張ります!改めて、完結おめでとうございます。 (2021年2月16日 15時) (レス) id: beda8b3808 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 東雲 晄さん» コメント有難うございます、途中文章ミスがあり申し訳ありませんでした... ご指摘有難うございました。またご縁がありましたら作品を読んで頂けると嬉しいです (2021年2月16日 7時) (レス) id: 3bd9d4536b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2021年1月25日 23時