【銀魂】その男、獣につき

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「らっしゃい!! 今日も生きの良いのが揃ってるよ」

『ヒラメ...... ニシンも良いかも』

「おっ、Aちゃん見る目があるね!!」

『旬ですしね』


　
　






夕方、スーパーの帰り道。
Aの仕事はまだ終わらない。
商店街はこれから賑わいを見せるのか、人通りも多く、あちこちから店主の「いらっしゃい」という声が飛び交っている。





　
　
　


『うーーーん、ヒラメにします!! ください』

「毎度ｯ!! 相変わらず荷物が多いけど大丈夫かい?」

『こう見えても力はあるんですよ、私』

「あははっ、そりゃ失礼」

　
　
　






軽快に笑う店主にAもまた釣られて笑顔を見せ、商品を受け取る。
まだまだ冷える日が続くからと、鍋や煮付けも良いかもなんて考えながら真選組への道を辿る。



　
　
　



『(ちょっと買いすぎちゃったかな…)』

　
　
　






両手を塞ぐ荷物をぐっと持ち直す。
一度「重い」と認識すると余計にずっしりとした重みを感じる。
「大丈夫」なんて言った手前、弱音を吐くことは出来ない。


　
　
　
　





「持とうか?」

　
　
　








そう声が聞こえ振り返れば流水紋の着物を片肌脱ぎした銀髪頭の男が立っていた。
その人はAにとって初対面なのだが、何処か知った風貌をしている彼に何処で知ったのかと記憶を辿るように小首を傾げた。


　
　
　
　






『ぇっと...?』

「重そうじゃん?」

『わ、悪いですよ!!』



　
　
　





断ろうとすれば小さく溜息を吐き出し「良いから、...格好つかねぇだろ」と荷物を取られる。





　
　
　
　


「今日はパチの当たりが良くて気分が良いからさ」

『ふふ、なら私も親切な人に会えてラッキーですね』

「違いねぇ」



　
　
　
　





2人して他愛も無い話をしていたが真選組への道を辿ると、男は段々と険しい表情になっていった。









　

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