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『嫌な匂いがする』
Aは銀時の服をクンクンと嗅ぎながらそう言った。
それには銀時も「え"」と嫌な声を出し、自身で匂いを確かめる。
「…加齢臭とか言うなよ、泣くぞ」
『いつも甘い匂いか、パチンコ屋の煙草の匂いがするのに…』
何だろうか、嫌な感じだ。
その正体が何なのか分からず、暫く彼の周りを鼻を利かせたが流石に鬱陶しくなったのか「良い加減にしてくんない」と引き剥がされた。
『どこの女の匂いよ』
「は? 何言ってんのお前」
『一度言ってみたかったんだよね、このセリフ』
呆れた様に深く溜息を吐く銀時はこの話題に飽きたのか手に持ったジャンプに再び目を落とした。
『銀時、血頂戴』
「臭いって言う人にはあげませーん」
『”臭い”なんて言ってない、嫌な匂いがするって言ったの』
「いやそれ同じじゃん」
それでも彼女が諦めることなく見てくるので銀時が諦めるしかなくなりインナーの襟を軽く退かして首筋を開けて見せることになったのだ。
「ッ、」
ちくりとした一瞬の痛みに表情を歪める銀時だったがそんなことくらいでAが吸血をやめるはずもなく。
『(血は普通なんだけどなぁ…)』
この日は暫くその血を味わった。
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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント嬉しいので大丈夫ですよ、ありがとうございます。此方の作品も完結の目処が経ちましたので最後まで楽しんでいただければと思います、応援ありがとうございました (2022年4月13日 7時) (レス) id: 0c162c5444 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - さいっっっっこうです!!何度もコメントしてしまい申し訳ありません。もう日々の楽しみとなってます!昔の作品も読み返しているところですが、本当にどの作品も面白いです。無理しない程度に頑張ってください!本当に応援してます! (2022年4月13日 4時) (レス) @page30 id: 5e34f22924 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 美姫さん» 初めまして、温かなコメント有難うございます。そろそろ完結に向けて動き出しますので見守ってくださると嬉しいです。終わり次第また新作も出す予定ですのでお時間ありましたらまた是非読みに来てください (2022年4月9日 0時) (レス) id: 5f592be880 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - アカツキさんの小説本当に大好きです。これからも応援しています!頑張ってください! (2022年4月8日 16時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - RIOさん» コメント有難うございます、読んで下さり嬉しいです。更新遅れ気味で申し訳ありません...またぼちぼち更新しますのでこれからもよろしくお願いします (2022年4月6日 16時) (レス) id: 9759a783ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年3月8日 23時