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パタン、と無慈悲に閉められた扉に、銀時は顔を引き攣らせた。
「あの〜......A、ちゃん…?」
『随分とまぁ、お誘いが上手くなったね?』
「いやまじでそんなんじゃなくてさ、あのさ、」
『え〜? 私、嬉しかったんだよ?』
ジリジリと後退る銀時に距離を詰めるA。
終いには行き止まりに追い込まれ、銀時は冷や汗を流した。
『"俺のしか飲んじゃ駄目"って聞こえたんだけど』
「...ご都合解釈しないでください」
『違うの? 私、神威から報酬貰えなくてお預け喰らってるんだよ』
跨るように乗り、顔を近付けるAに思わず生唾を飲む。
この異様とも言える状況と雰囲気は彼女だからこそ作り出せるものであり、銀時はその効力を身をもって知っている。
『ねぇ、銀時がくれるんでしょ?』
「あんま調子乗んなよ」
『とか言って期待した目してるよ』
「……お前もな」
Aは自身の唇を軽く舐めるとそのまま首にかぶりつく。
かと思えばその口は銀時の口へと吸い込まれるかのように当たる。
熱いほどの口付けは吸血時とはまた違った昂揚感があり思考が溶けた。
『んッ、』
「おい、逃げんな」
形勢逆転…という訳ではないがやられっぱなしも癪だと、銀時はAの頭を押さえつけ、口内で彼女の舌を追い掛けた。
「(誘ってんのはどっちだっつの)」
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アカツキ(プロフ) - 美姫さん» コメント嬉しいので大丈夫ですよ、ありがとうございます。此方の作品も完結の目処が経ちましたので最後まで楽しんでいただければと思います、応援ありがとうございました (2022年4月13日 7時) (レス) id: 0c162c5444 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - さいっっっっこうです!!何度もコメントしてしまい申し訳ありません。もう日々の楽しみとなってます!昔の作品も読み返しているところですが、本当にどの作品も面白いです。無理しない程度に頑張ってください!本当に応援してます! (2022年4月13日 4時) (レス) @page30 id: 5e34f22924 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - 美姫さん» 初めまして、温かなコメント有難うございます。そろそろ完結に向けて動き出しますので見守ってくださると嬉しいです。終わり次第また新作も出す予定ですのでお時間ありましたらまた是非読みに来てください (2022年4月9日 0時) (レス) id: 5f592be880 (このIDを非表示/違反報告)
美姫(プロフ) - アカツキさんの小説本当に大好きです。これからも応援しています!頑張ってください! (2022年4月8日 16時) (レス) id: ac5aee6225 (このIDを非表示/違反報告)
アカツキ(プロフ) - RIOさん» コメント有難うございます、読んで下さり嬉しいです。更新遅れ気味で申し訳ありません...またぼちぼち更新しますのでこれからもよろしくお願いします (2022年4月6日 16時) (レス) id: 9759a783ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アカツキ | 作成日時:2022年3月8日 23時