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改めて目の前のかき氷に視線を落とす。
まるで宝石のように赤く輝くそれは、イチゴを丸ごと凍らせて削るというとても贅沢なもので、さらにダメ押しで贅沢に練乳がかかっている。
治くんはどうしてもこれが食べたかったらしい。
待っている間もずっとソワソワしたり他のテーブルに運ばれていくかき氷を見て、子供のようにはしゃいで「なあAちゃんあれやで」とか「やばい俺らのいつ来るんかな」なんて、そわそわしながら私にいちいち言うのが面白かったし、私たちのテーブルに来たときはそれはもうこれ以上ないくらいに幸せそうな顔をしていた。
もう一度スプーンで煌々ときらめく赤を掬い上げて、口に運ぶ。
冷たい感触の中でイチゴの甘酸っぱさが舌の上を駆け巡り、追いかけるように練乳の甘さがふわりと鼻腔までくすぐってくる。幸せだ。とっても幸せだ。
「追い練乳や！」
なんて、高らかと宣言した治くんが、半分くらい残ったかき氷にこれでもかと練乳をかけていく。
私も真似してみようと練乳をくるくると円を描くように落としていく。
「はー、これめっちゃうまいやんか」
「治くん何食べてもそれしか言わないじゃん」
「めしの時間がいちばん好きやからな」
次から次へとかき氷を口に運んでいく彼の表情は、その言葉を如実に表している。
そんな彼を見ていたらこっちまで幸せな気分になってくるし、やっぱり何かを食べている治くんがいちばん好きだなあ、なんてことを考えてしまう。
浮かんだ邪な気持ちを追い払うように最後のひと口をスプーンですくった。
「……きーんってする」
「俺もや……ハイペース過ぎたなあ」
二人で顔を見合せて、笑った。
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雛(プロフ) - ネオンガールさん» ありがとうございます！よかったです！！！ (2018年12月24日 18時) (
レス) id: 7dd974e27d (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - Blueさん» そう言っていただけるとこちらとしても非常に嬉しいです！最後までお付き合いいただきありがとうございました(；；)次回作も鋭意準備中ですので、楽しみにお待ちいただけたらと思います！ (2018年12月24日 18時) (レス) id: 7dd974e27d (このIDを非表示/違反報告)
ネオンガール(プロフ) - 雛さん» めっちゃキュンキュンしました！！笑 (2018年12月24日 12時) (レス) id: 18c4f82065 (このIDを非表示/違反報告)
Blue - この作品のおかげで治くんがめちゃくちゃ好きになりました。作品の完結おめでとうございます！お疲れ様でした！そして、書いて下さりありがとうございました！次回作も楽しみにしています！！ (2018年12月24日 1時) (レス) id: 82a4b13a9b (このIDを非表示/違反報告)
雛(プロフ) - 彩兎さん» コメントと労いのお言葉たいへん嬉しいです。恋愛はもちろんですが、食について掘り下げたお話にしたかったので、少食に共感していただけるとこちらも書いた甲斐があるなと思います。こちらこそ最後までお付き合いいただきありがとうございました！ (2018年12月24日 0時) (レス) id: 7dd974e27d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雛
| 作者ホームページ：https://twitter.com/pp__synd
作成日時：2018年11月4日 17時
