📕 ないしょの両片思い。 ページ40
*
『先生さようなら〜』
「おう！手伝ってもらって悪かったな！」
『いえいえ。』
部活動の生徒の声が校舎に響く放課後。私は1時間ほど担任の先生に呼ばれ、お手伝いに駆り出されていた
『あっ、』
時間を確認するためにスマホを開くと、ぶるーくくんから【僕いま図書室で勉強してるー】というメッセージがスタンプ付きで送られてきていた。
受信時間は30分前、勉強をしているのならまだいるかもしれない…
そんな淡い期待を胸に抱きながらメッセージを返すと図書室に向かうため早足で階段を駆け下りた。
ーｶﾞﾗﾗｯ
いつも静かな図書室が今日はいつにも増して静かだった。
本棚の奥にある勉強スペースに一つだけ人影が見えて読み途中だった小説をカバンから出しながら近づくとその人影は片思い中の彼。ぶるーくくんで間違いなかった。
『ぶるっ、あれ…』
「すー、すー、んぅ…」
キャラメル色のカーディガンが包む背中がゆっくりと動いている。静かに隣の席へ座っても彼は深い眠りについてるようで気づかなかった。
『カーディガンだけじゃ寒いよね。』
私はそっと自分の着ていたブレザーを脱いで彼の肩へとかけた。寒いからは本音でもあり建前でもあって、少女漫画でみたシチュエーションへのちょっとした憧れの気持ちもあった
好きな人が自分の服をかけてるなんて、片思いの私には後にも先にもこれっきりだから許してねぶるーくくん。
片手に持った文庫本で隠しながらスマホのカメラを彼のほうに向けてシャッターを切った。
ーｶｼｬｯ。
ノーマルカメラのせいで図書室に音が響いて起きてしまうかと一瞬冷や汗をかいたけど、机に突っ伏して寝ている彼は一切起きる様子がなかった。
『ふぅ、よかった…』
スマホを紺色のカーディガンのポケットへしまい直して彼が起きるまで待っていようと本の世界へと意識を向けた。
読み慣れた恋物語だけど隣から感じる好きな人の体温でいつもよりもっとドキドキする私がいる。
この小説の女の子みたいに好きな人に好きって伝えられたらいいのにな。
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紅子(プロフ) - ゆきさん» 今のところ雷同しか生きがいが無いに近いので我儘言うといっぱい雷同ネタ出してくれると嬉しいです。 (2021年9月28日 22時) (
レス) id: 29e9a00af5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 紅子さん» 正体あらわしたね (2021年9月28日 18時) (レス) id: 32ec0838cd (このIDを非表示/違反報告)
紅子(プロフ) - 雷同の女、助かりました (2021年9月27日 23時) (レス) id: 29e9a00af5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 1さん» コメントありがとうございます！お教え頂きありがとうございます、とても助かりました…！ 応援ありがとうございますとても励みになります！ (2021年4月17日 1時) (レス) id: 32ec0838cd (このIDを非表示/違反報告)
1 - ciさんの話、1の方で｢俺の方が年上なのに｣というセリフがあります。年下では無いですか？ この作品のゆるゆるとした日常の雰囲気がとても好きです。応援しています。 (2021年4月17日 1時) (レス) id: 3bc86cc6f5 (このIDを非表示/違反報告)
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