名探偵コナン 短編集 【怪盗キッド/黒羽快斗/工藤新一/安室透/降谷零/江戸川コナン】

意地悪 2 【安室透】 ページ21

『散々な日…』

おまけに雨まで降ってきた
この流れ…漫画だなぁ
なんて思いながらたまたま見つけた公園の大きな滑り台の下で雨宿り

『…寒っ』

雨に濡れた体が冷える
今日は天気が良かったから薄着で出てきたのに

『天罰ってやつかな…』

これ以上は最悪な事は起こるまいと安心していたのだが…

『…きゃ』

カミナリだ…
昔からカミナリだけが苦手なのに…

『…私が何したの…』

もう涙も出ない
本当にこのままここで寝ていたらどうなるんだろ…なんて考える

『寒くて死んじゃったりして…』

なんてあるわけないのに
自傷気味に笑っていると後ろからコートをかけられる

『？』

振り返るとそこには安室さんが

『な…なんでいるの？』

安｢貴女を追いかけたのですが、見失ってしまい｣

『…』

安｢どうしてそんなにも機嫌が悪いんですか？｣

『…悪くないですよ』

安｢僕が女子高生に色目を使っていると思っているんですか？｣

『…もう、別れましたし何も思っていませんよ』

安｢いつ別れましたっけ？｣

『今』

安｢僕は了承していませんが？｣

『なら、して下さい』

ダメだむしゃくしゃする

『もう大丈夫なので、コートありがとうございます』

安｢…っ｣

『怪我しているわけでもないし、歩けるので』

コートを渡して滑り台から出る
雨も止んだようで、適当に歩いていれば知っている道に出るだろう

意地悪 3 【安室透】→←意地悪 1 【安室透】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す