【銀魂】高杉さんに閉じ込められた部屋でのお話

十六 ページ16

血液、唾液。
それは恐らく摂取の手段であり、媒介するもの。




あの時の興奮は単に体温を感じてはつじょうしたものとはわけが違った。


弱った私に高杉さんが与えたものは、もっと、人が人であるために必要な何か大切な動力源。

そして多量に奪ってはいけないもの。






｢どうも晋助殿は貴方に入れこみすぎているようですが、我々としてはそんな理由で頭を失う訳にはいかないんですよ。｣






本人に言っても聞き入れてくれるとは思いませんしね、と表情一つ変えずに言った。

この人の言っていることは何も間違っていない。

薬で強制的に眠るだけの、それこそただの気休めだけでは耐えられなくなった私が、ただ与えられることに甘えて彼をを貪った。

これじゃあ私はただの、怪物だ。


何も言わなくなった私をただ見下ろして、その人は思いついたように言った。




｢そういえば。金髪の猪女を見たら逃げた方がいいでしょう。｣

｢半獣、ですか。｣

｢半分では収まりきらない暴力性を持った女ですよ。晋助殿を悩ませている原因と知れば、どうなるかわかったものではありませんから。｣





ご忠告どうもありがとうございます。
よくわからない礼を言いながらも、悩ませている原因という言葉が気になって仕方がなかった。



高杉さんは、私に困っていたらしい。



よくは分からないけれど、待ち人が来ない理由が自分であったと悟るのは辛いものがあった。

これからの貴方を待つ時間を、余計に息苦しく感じてしまう。





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※フラグ回避のため該当する単語は平仮名で表記しています。

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