21.主役と脇役 ページ21
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帰り道はテヒョンとジョングクくんと一緒になった。
テヒョンはどうやらジョングクくんちの方の探索をしてから帰るらしい。
｢あ、櫓だ｣
｢え？｣
遠くで軽トラックが大量の丸太を荷台に乗せて運んでいる様子が見えて、テヒョンが呟く。
｢そういえば、お祭りって演劇の他に何やるの？｣
｢うーん、メインが首塚の社にみんなで集まって観るんだけど、その後普通にご飯食べて……お喋りして……｣
｢大人はそれから夜に神事があるんです｣
｢子供は公会堂とかで集まって太鼓叩いたりする｣
｢へえ〜｣
結構大掛かりみたい。
｢そういえば、ジョングクくんが今年の主役なの？｣
｢あ、そうなんです。村の男衆に入ることになったんで。太鼓とか舞とか色々と練習があって｣
｢うわあ、大変そう｣
｢まあ、しきたりですから｣
困ったように笑って自転車を牽くジョングクくん。
テヒョンはいいなあと羨ましがっていた。そういうのに参加したがるのも偉いと思う。
私だったら、ちょっと面倒。
｢浴衣とか着るのかな？｣
｢ん？ いや、なんかみんな白い装束着てるよ。あと顔を布で隠すの。覗き穴はあるけど｣
｢あ、そうなの？｣
｢夏祭りは夏祭りでやるんですけどね｣
｢結構色々やるんだね〜｣
しげしげと呟くと、テヒョンは楽しそうに、ジョングクくんは困った顔のまま頷いていた。
｢Aも行くでしょ？｣
｢うーん、どうだろ。家の人に首塚の社には行くなって言われてるし｣
｢あ、そっか。残念｣
｢ちょっと見たかったけどね｣
また怖い目に遭うのは嫌だから、お祭りの日は大人しくしていよう。
｢Aが行けないの残念だな〜｣
｢ありがとー｣
｢ジミンに言えばなんとかなんないかな｣
｢喧嘩してるんでしょ？ 拗れちゃわない？｣
｢……確かに｣
暫く思案したようだったけど、テヒョンは諦めたのか、田んぼの交差点で足を止めた。
｢おれ、こっちだから！ また明日！｣と元気に言い放ち、山の方へと歩いていく。
取り残された私とジョングクくんはとぼとぼと歩き出した。
｢……A先輩は、祭りには出ないんですね｣
｢そうなるよね。場所が場所だし｣
｢……そうですか｣
｢見たかったな〜！ ジョングクくんの演劇｣
｢演劇じゃなくて、舞なんですけどね｣
｢テヒョン、覚え方曖昧すぎない？｣
二人でそんなことを話しながら帰った。
ジョングクくんは祭りの主役をするのがちょっとプレッシャーらしい。
祭りまであと一ヶ月。今日は満月が綺麗だった。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
