20.お祭り ページ20
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登校するとテヒョンが何故かぐったりと机に寝そべっていた。
｢おはよう？｣
｢あ、おはよA｣
眠いのかな〜と思ってスルーして机につくと、モソモソと頭が動いてテヒョンと目が合う。
｢昨日はごめんね｣
｢あーもういいよ。大丈夫。別にうちはなんにもなかったし｣
｢うん……｣
あれからジミンさんと一緒に帰ったテヒョンの身に何があったというのか。
控えめにザワついていた教室に入ってくる担任のせいで、深くは聞けずに授業が始まる。
教科書の揃ってない私は、テヒョンと机をくっ付けることになっていた。
もう、クラスの女子なんか気にしない。
｢もージミンが怒っちゃって、全然話してくれないんだよ｣
｢そうなの？｣
｢なんか神様も色々とめんどくさいみたい｣
ごにょごにょと愚痴のような事を呟いて、テヒョンは寝た。
……神様かあ
退屈な授業の合間に外を見る。何の変哲もない曇り空が広がる此処に神様が沢山いるだなんて、ファンタジーもいいところだった。
生贄なんていう不穏すぎるワードも気になるし、本当に授業どころじゃない。
｢来週は祭りの準備もあるだろうが、課題は出すからなー｣という担任の言葉を耳にするまでは。
どうやら、お祭りがあるらしい。
｢祭り！？｣
｢おー、テヒョン。起きたか｣
｢ハイ！｣
｢寝てるんじゃない｣
ガバッと起きたテヒョンの顔がキラキラしている。
｢……お祭りがあるの？｣
｢そうそう！｣
｢ふうん……｣
私の単純なお祭りのイメージは、盆踊りとか屋台とか花火とかそういうやつだけど。
｢演劇とかやるんだよ｣
｢へえ〜｣
｢俺は外の人間だけど、ジョングクは今年から村の男衆の仲間になるし｣
｢青年会的な？｣
｢そうそう。だから、お祭りの主役はジョングクとか。あとは神様が選ぶんだよね｣
｢……神様｣
ここでも神様。私は思わずひくんと笑顔が凍りついた。
｢……テヒョン、A。お前ら授業聞いてるか？｣
｢すみませーん｣
｢楽しみなのは分かるけど、一応聞いとけよ｣
そう言って指されたテヒョンは落ち着かない様子でソワソワしてた。喋りたいけど、喋れないって感じ。
お祭りかあ。この村の唯一の楽しみって感じなのかもしれない。
｢浴衣とか着るのかな？｣
時期は初夏。まだまだ、浴衣には寒い時期だと思う。というか、浴衣なんか持ってないし。
チラッと隣を見ると、物凄く喋るのを我慢しているテヒョンと目が合った。がんばれ。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
