07.小屋じゃない ページ7
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｢着きましたよ｣
｢良かった。小屋じゃない｣
｢小屋って｣
面食らったようなジョングクくんもそのままに、私はチラリと彼の顔を見る。
すると、手馴れた様子でいくつかあるうちの扉の一つを開いてくれた。
｢タオル借りてきます｣と告げるなり何処ぞへと向かったジョングクくんの背中を目で追いつつ、私は一個しかない受付で転居の手続きと転校の手続きを一気に済ませてしまった。
田舎だと窓口が一つしかなくて、そういう所は便利だなあって思った。
｢本当にありがとう。何やら何まで｣
｢まあ、迷うのも仕方ないと思います。ここはどうしても田舎ですから｣
｢うん……｣
とてもそんなことないよとは言えず、私は借りたタオルを首に掛けつつパイプ椅子で申し訳程度に身なりを整える。
｢えっと……送ってきます？｣
｢あ、いいの？ すごい助かる！ もうどこから来たのかも分からなくて！｣
手続きが終わるのを待ってくれた上に帰宅まで手助けしてくれるというジョングクくんには頭が上がらない。
外は雨足が弱まってきて、まあ、散々濡れたしもういいやという気分だった。
チャリを引いて戻ってきたジョングクくんと再度山道を歩き出す。
｢なんか教科書もちょいちょい違うんだよね｣
｢そうなんですか｣
｢ってか制服どうしよ｣
｢制服ですか？｣
｢うん。こっちセーラーなんでしょ｣
中三半ばで転校という微妙なタイミングで制服を作るのもなんだかお金が勿体ない。
どうしようかなーと思案に耽っていると、山道のY字路へと差しかった。
｢学校ってどっち？｣
｢あ、この先です｣
｢見といた方がいいかな？｣
｢あ、でも……｣
何気ない質問にジョングクくんは意外な暗い顔を浮かべたので、首を傾げる。
｢遠いの？｣
｢いや、そうでもないですけど、道が悪いです。こっちはあんまり通らないんですよ。地元では｣
確かに山肌に沿うように伸びている道は草こそは刈られているけど、木々の影で暗いし舗装もされていない。
｢まあ、いっか。どうせ通うんだし｣
｢……そうですか｣
｢うん。とりあえず帰ろっか｣
言い淀んだ訳こそ分からなかったが、私はとりあえず流すことにした。ここら辺の山はなんか気味が悪い。
｢Aさんってどの家に引越したんですか？｣
｢うーん、まだここら辺のことはよく分からないけど……｣
なんとか少ない記憶を手繰り寄せて、今日通った駅からの道のりや見えたものなどを説明したけど、私の説明が下手すぎて伝わらなかった。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
