17.他称 神 ページ17
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出ようか、と言われて私はテヒョンと一緒に神社を出た。
さっきまでの明るさが嘘のように沈々とした暗闇が辺りに満ちている。
何だか寒気がして肩を抱くと、テヒョンが気を使ってくれたのか、学ランの上着を掛けてくれた。
｢ありがと｣
｢うん、俺の方こそごめんね｣
テヒョンに悪気がない事は分かってる。
二人で階段を下りていると、下の方から足音と共に｢テヒョン！｣と呼び掛けられた。すごく慌てたような声だった。
｢誰？｣
｢うーんと、俺んちの神様｣
｢神様？！｣
しかも俺んちの……って。中々なパワーワードだ。
神様と紹介された男子はパタパタと慌てた様子で階段を上がってきた。
三段ほどの距離に近づいてきたところで、ようやく顔が見える。
その後ろにはジョングクくんが居た。
｢A先輩｣
｢ジョングクくん……探してくれてたの？｣
｢ハイ。あの……｣
頷いたジョングクくんはおずおずと私の顔を見上げて固まっていた。
｢……Aさんってイ家の人なんですか？｣
｢え？ そうだけど｣
私の苗字を聞くなり黙りこくってしまったジョングクくん。一方で口を開いたのは隣に居るテヒョンの家の神様だった。
｢やばいよ、テヒョン！ 僕、ユンギさんに怒られるよ！｣
｢……そうなの？｣
｢ただでさえソクジンさん関連の話はタブーなのに、贄を会わせちゃったとかもう本当に……本当に……｣
ぐったりと肩を落とした様子の神様(他称)を思わず見つめる。すると、テヒョンがケロリとした顔で神様を指さした。
｢ジミン｣
｢え？｣
｢俺んちの産土神｣
｢うぶすな……？｣
マジマジとジミンと呼ばれた人を見ると、明らかに気まずそうな顔を向けられる。
｢……Aちゃん｣
｢……ハイ｣
｢あの、その、ユンギさんには出来るだけ……黙っててね｣
｢ジミンさんのこと？｣
｢今日のこと全部！｣
パァンと思いっきり両手を鳴らして拝まれた。ジミンさんの方が神様じゃないの？
｢……いいですけど、その、私が見たのってやっぱり夢じゃないんですね？｣
うっかり悲壮感塗れになった声でそう呟くと、ジミンさんは明らかにアッて顔をした。
｢夢……です。ハイ｣
｢ソクジンさんって？｣
｢僕の口からは言えません！｣
よく分からないけれど、めちゃくちゃ怯えているジミンさんを問い詰める気にはなれなかった。
分かったのはただ、ソクジンさん、ユンギさん、贄、神。分からない言葉がどんどんと増えていってることだけ。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
