13.探索に行こう！ ページ13
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テヒョンって動物みたい。
というのが私の感想だった。犬か猫か……どちらかと言うと猫。
放課後を迎えるやいなや｢先生さようなら！｣と元気に手を振ったテヒョンは私を連れて教室を飛び出した。
あーあ、女子の友達一人も出来なかったなあ。
あっちの山は誰々の家があって、あっちの山は美味しい果物が自生してる等々の解説をベラベラと喋りながら、連れてこられたのはここら辺では一際小高い山に整えられた石階段だった。
｢……なにここ｣
｢神社｣
｢へえ〜｣
言われてみると確かにそうっぽい。パッと見ただけでも結構な段数のあるそれを見上げていると、テヒョンはぴょんぴょんと軽快な足取りで登り始めた。
ちょっと億劫に思いながらも、私も後に続く。
周りは鬱蒼とした木々があるのに、石階段の周りだけはどこかさっぱりとした雰囲気が満ちている。
息を上げながらもなんとか階段を登りきると、意外と質素な神社の境内が見えてきた。
｢ありゃ？ 開いてる｣
｢普段は閉じてるの？｣
｢うん｣
誰か先客でもいたのかもしれない。管理してる人とか。
そう思って辺りを見渡すけど、私たち以外の気配はなかった。
｢お参りしよ、お参り｣
｢五円ある｣
｢十円しかない｣
ゴソゴソと小銭を漁って放り込み、二礼二拍手、そして一礼。
お願い事は｢女子の友達が出来ますように｣という切実なやつ。
｢……暗くなってきたね｣
｢あ、帰らなきゃ。夕飯｣
｢もう食べるの？｣
｢五時には戻れって｣
｢早いね〜｣
｢でしょー？｣
取り出したスマホで時間を確認すると、あろう事か圏外になっていた。
｢ここ、圏外なんだ｣
｢あ、ほんとだ｣
テヒョンもスマホを確認して、しげしげと呟いた。
｢そろそろ帰ろっかあ｣
｢うん。連れてきてくれてありがとう｣
｢どういたしまして〜｣
探索というにはちょっと可愛いものだったけど、少しはこの村のことを知れた気がする。
何より、テヒョンっていう友達が出来て良かった。女子の友達は出来なかったけど、今のところは十分過ぎると思う。
｢今度はこっちから降りようよ｣とテヒョンに言われるがまま、境内の裏にある細い道を進んだ。
石階段というよりは最早坂のソコを通っていると、慣れない足場に足元がふらつく。
｢……きゃっ！｣
うっかり転ぶ寸前だった私は思わずニヤけて、テヒョンを見上げようとした。
｢――……あれ？｣
いつの間にか、そこからテヒョンの姿が無くなっていた。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
