12.唯一のエンターテイメント ページ12
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見たところ、テヒョンは学校内で大層な人気者みたいだった。
クラスメイトはおろか、他学年や小学生までがテヒョンに声を掛けている。
｢なんで私にそんな親切にしてくれるの？｣と問うてみると、すごく意外そうな顔をされた。
｢だって、転校したばっかの時って大変じゃん｣
おれもそーだったし、と何気なく言われて私は内心テヒョンを拝む。優しい。
｢それに、ここって結構変わってる場所だから｣
｢まあ、確かに｣
閉鎖的な村っていうのは余所者を嫌うというのはここ数日で痛いほど体感している。あと、現在進行形で。
恐らく学年一、二のイケメンと早速昼食を摂る余所者の私は、クラスメイトの女子からはすっかり敵認定されているようだった。
｢変な祭とかしきたりとかも多いしさあ｣
｢そうなの？｣
｢うん。あと、神様も居るし｣
｢ふーん……｣
なんとも田舎らしい祭とかしきたりとか言う単語を聞きながら、私はおにぎりに齧り付いた。
梅昆布だ。白ごまも振ってあって香ばしくて美味しい。ちょっとサイズが大きいけど。
｢A、放課後って空いてる？｣
｢え？ 空いてるよ？｣
｢じゃー、面白いとこ連れてったげる｣
｢面白いとこ？｣
こんな辺鄙な村に楽しい所なんてあるんだろうか。
私が首を傾げると、テヒョンは得意げに鼻を鳴らした。
｢おれ、暇な時探検するんだ｣
｢探検〜？｣
｢面白いんだよ｣
ニコニコと笑っているテヒョンは本当に楽しそうにしている。
この村の探検がそんなに面白いとは思えなかったけど、私はとりあえず頷くことにした。
｢うーん、じゃあ、行こうかな｣
未だに村の地理もよく分かってない私は、いい機会かもしれないと思った。
｢いきなり草むら歩くのは嫌かも｣
｢ワンピースだしね｣
｢虫とか居る？｣
｢居るけど｣
ケロッと言われて、思わず顔が引き攣った。
｢大丈夫大丈夫。おれ、虫除け持ち歩いてるから｣
そう言ってテヒョンが取り出したのは大容量の虫除けスプレー。
村の探検に慣れているっていうのは本当の事らしい。
｢そういえば、Aってなんでこっちに引っ越してきたの？｣
テヒョンが唐突にそう尋ねてきた。
｢父親が出張で海外行くから。なんか面倒なんだけど、死んだ母方の実家が此処だから引っ越せって言われた｣
｢ふうん、結構大変だったんじゃん｣
｢そう思ってくれる？｣
今時片親なんて珍しくもなんともないけど、死んだ母方の実家っていうのは珍しい方なんじゃないかなって思う。
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sai(プロフ) - fanさん» コメントありがとうございます 文脈とかはあんまり考えてないんですけど、読みやすかったら何よりです^^* 楽しんでください〜 (2020年2月29日 13時) (
レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
fan(プロフ) - コメント失礼します。まだ数話しか読んでいないのですがとても文脈がしっかりしていて読みやすく楽しい作品だなと思いました。 (2020年2月27日 16時) (レス) id: b1b69e3863 (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - カナタさん» 番シリーズから！ありがとうございます！ 今回も全員総出演で不穏面白く書きたいと思いますー 完結まで楽しんでください〜 (2020年2月14日 21時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - はじめましてです^^ 番シリーズから飛ばせていただきました！題名から田舎でのんびり系かと思いきやファンタジーな内容にハラハラしながら読ませていただきました！ま未だ出ていないメンバーもいまし今後も更新楽しみにお待ちしてます！ (2020年2月14日 2時) (レス) id: 684671b8cd (このIDを非表示/違反報告)
sai(プロフ) - はじめましてさん» こちらこそありがとうございます〜 ほんと好きなように書いてるんで、好みに合って嬉しいです^^ これからも好きに書くので、気が向いたら読んでやってください！ (2020年2月11日 13時) (レス) id: 00e0a369b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sai
| 作者ホームページ：https://twitter.com/xxx___sai/
作成日時：2020年2月5日 13時
